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奈良大和路~悠~遊~

奈良大和路の祭や伝統行事、四季折々の風景を 写真で綴るフォトブログです。大和は国のまほろば、神や仏に近しく 奥は深くて おもしろい!

芝辻 野神祭り 2019

幹周りに注連縄を張り巡らせた大きなクスノキは芝辻町の「野神さん」――マンションや戸建て住宅が並ぶ市街地のど真ん中に立っています。かつては農業地であった当地ですが、宅地化が進み農家はほとんどなくなりました。しかし、いまも野神行事が続けられています。

毎年お田植えが始まるころ、20軒ほどある野神講の方々が御神木のもとに集まり、お神酒・米・丸餅(多数)を供えて二礼二拍手一礼で祭典を始めます。つづいて般若心経3巻を唱和。神式と仏式の混淆ですが、大和ではよくある祈りの形です。最後に、お神酒とスルメ、おかき(餅)で簡単な直会を行います。なお、いまは丸餅ですが、少し前まではチマキ(粽)を供えていたそうです。

芝辻の野神祭りは市街地の中心で継承されている野神祭りとしてたいへん貴重な存在といえるでしょう。こちら北部では中南部の野神さんとは異なって子供は参加せず、ワラ縄のジャ(蛇)や農具のミニチュアなども使いません。芝辻では農作物の豊穣を祈ることよりも、いまでは親睦の意味合いが大きいようです。

大和中南部の野神行事には下に挙げたものなどがあります。地域的に特色ある実態を記録保存する必要性から、まとめて「大和の野神行事」の名で国の記録選択民俗文化財に指定されています。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・新泉 素盞嗚神社 野神祭 2019
 ・川西町下永(東城) 野神祭り 「キョウ」 2017
 ・川西町下永(西城) 野神祭り 「キョウ」 2017
 ・上品寺町 シャカシャカ祭り 2017 
 ・田原本町 矢部の綱掛 2017
 ・田原本町(杵築神社) 今里の蛇巻き 2016
 ・田原本町(八坂神社) 鍵の蛇巻き 2016
 ・野口神社 蛇穴の汁かけ祭り・蛇綱ひき 2016



芝辻町 野神祭り
車が行きかう道路を狭めるように立つクスノキの大木の下で野神祭り=撮影 2019/5/26 奈良市芝辻町

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テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真

  1. 2019/05/27(月) 12:55:10|
  2. 5月の祭り/行事
  3. | コメント:0

唐招提寺 うちわまき・舞楽 2019

唐招提寺の「うちわまき」として知られる中興忌梵網会(ちゅうこうきぼんもうえ)。同寺中興の祖である鎌倉時代の高僧・覚盛(かくじょう)上人を偲び、命日にあたる5月19日に営まれる法要です。

まずは梵網講讃(法要)が講堂で始まります。その途中、中庭に設けた特設舞台で舞楽が行われます。南都晃耀会・南都流舞楽伝承会のみなさんによる「振鉾(えんぶ)(右舞のみ)」「陪臚(ばいろ)」「納曽利(なそり)」「蘭陵王(らんりょうおう)」でした。

舞楽の後、鼓楼(国宝)の2階からハート型のうちわ「宝扇」約500本が参拝者にまかれます。魔除けのご利益があるといわれる「うちわ」ですが、「うちわまき」の由来は、蚊をたたこうとした弟子に「血を吸わせるのも修行のうち」と不殺生を説いた上人を讃え、法華寺の尼僧たちが蚊を追払うためのうちわを供えたことに始まるとされます。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・唐招提寺 うちわまき・舞楽 2018
 ・唐招提寺 うちわまき・舞楽 2017
 ・唐招提寺 うちわまき・舞楽 2016
 ・唐招提寺 うちわまき・舞楽 2014
 ・唐招提寺 うちわまき・舞楽 2012
 ・唐招提寺 うちわまき・舞楽 2011



唐招提寺 うちわまき1
「うちわまき」 鼓楼2階の東面・南面からうちわ(宝扇)を撒きます=撮影 2019/5/19 奈良市五条町


唐招提寺 うちわまき2
舞楽「振鉾(えんぶ)」=撮影 2019/5/19 奈良市五条町


唐招提寺 うちわまき3
舞楽「陪臚(ばいろ)」=撮影 2019/5/19 奈良市五条町


唐招提寺 うちわまき4
舞楽「納曽利(なそり)」=撮影 2019/5/19 奈良市五条町


唐招提寺 うちわまき5
舞楽「南陵王(らんりょうおう)」=撮影 2019/5/19 奈良市五条町


唐招提寺 カキツバタ
戒壇東の池に咲くカキツバタ(杜若)=撮影 2019/5/19 奈良市五条町

テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真

  1. 2019/05/20(月) 21:33:05|
  2. 5月の祭り/行事
  3. | コメント:0

桃香野八幡神社 弁天一万度祭 2019

月ヶ瀬桃香野の八幡神社で毎年5月5日、地区の住民が椿の葉を一万枚数えて神さんに奉納し五穀豊穣を願う珍しい神事 「弁天一万度祭」が行われます。

その由来など、オトナ(老名)最長老の奥上さん(90歳)にうかがいました――。「かつては弁天一万度祭・桝形一万度祭・植付一万度祭という3つの祭りを行っていたが、することが同じなのでまとめて1回ですませるようになった」 伝説であるがとして「むかし、桃香野で社殿の造営などで宮本に多額の借金ができた。その後、謝金は棒引き(帳消し)してもらえることになって、そのご恩を忘れないようにと、毎年、椿の葉を神さんに献上する神事が一万度祭として受け継がれている。住民みんなが感謝の心を忘れないで絆を深めることが大切」「一万という数字は感謝の心を大きな数で表したのではなかろうか。なぜ椿の葉なのか、いつ始まったのかについては分からない」――ということでした。

一方、こんな説もあります。「大正9年、(桃香野大字の)杉の大木を売り払ったところ、11万3千円の収入があって、この収入のうち40円ずつを地区全戸に分配し、八幡神社へも千円ほどの寄付がされたという。これを記念して始まったため、弁天一万度祭と呼ばれている」と(『大和の神々』奈良新聞社編、1996年11月30日刊)。

行事はまず太鼓の音を合図に、オトナ(老名)衆をはじめ全員が拝殿に上り神事を行います。終わって参籠所に移り直会です。そのあと、おのおの椿の小枝を持って鳥居傍にある水鉢に軽く浸けて(清めて)から拝殿に進み、置かれた箱に綺麗な葉1枚を入れます。お伊勢参りの道中音頭(CD)が流れるなか、鳥居と拝殿の間を、ちょうどお百度参りのように、ぐるぐると廻ります。

拝殿には一の位、十の位、百の位、千の位を示す4つの箱が置かれています。一の位の箱に投げ入れた椿の葉から十枚を選び、うち一枚を次の箱に送ります。これを繰り返して千の位の箱に十枚集まると一万枚を数えたことになります。その中から宮守がもっとも美しい葉を一万枚目として神に献上します。実際には葉の数をしっかり数えるというよりも、住民の心がこもった美しい葉を選ぶことの方に留意されていました。

世間にあまり知られていない神事ですが、八幡神社の宮本に伝わる風習を自然に受け継いでいる絆がうかがえました。祭りに参加したのは35人ほどでした。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・桃香野八幡神社 秋祭り/お渡り・能楽奉納 2018
 ・桃香野八幡神社 秋祭り/お渡り・能楽奉納 2016
 ・桃香野八幡神社 弓始祭 2018
 ・桃香野八幡神社 弓始祭 2016
 ・花便り 月ヶ瀬梅林 梅 2017



桃香野八幡神社 弁天一万度祭1
椿の枝を水鉢の水に浸けて葉を清めます=撮影 2019/5/5 奈良市月ヶ瀬桃香野


桃香野八幡神社 弁天一万度祭2
赤鳥居をくぐり抜け拝殿に進みながら、神さんに捧げる綺麗な葉を選んでいます=撮影 2019/5/5 奈良市月ヶ瀬桃香野


桃香野八幡神社 弁天一万度祭3
それぞれが選んだ椿の葉1枚を所定の箱に入れます。裃着用はオトナ(老名)衆=撮影 2019/5/5 奈良市月ヶ瀬桃香野


桃香野八幡神社 弁天一万度祭4
手持ちの椿の小枝に美しい葉がなくなると、新しい枝と取り換え、何度も拝殿と鳥居の間をぐるぐる廻っては所定の箱に椿の葉を1枚ずつ投げ入れます=撮影 2019/5/5 奈良市月ヶ瀬桃香野


桃香野八幡神社 弁天一万度祭5
最上の椿の葉を選ぶ宮守さん。「一万枚に達しました」と参加衆に告げます=撮影 2019/5/5 奈良市月ヶ瀬桃香野

テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真

  1. 2019/05/08(水) 17:39:33|
  2. 5月の祭り/行事
  3. | コメント:0

新泉 素盞嗚神社 野神祭 2019

新泉(にいずみ)町では毎年5月3日(元は5日)に稲の豊作と男児の健やかな成長を祈願して「ノガミサン」の名で親しまれる野神祭が行われます。4、5年前からトーヤ(当屋・頭屋)制が維持できなくなり、行事はずいぶん簡素化されました。行事の詳細は2012年の記事にあげました。比較参照して戴ければ幸いです。

今では地区の公民館で区長ら役員さんが藁の細工物のジャ(蛇)、ウマ、ウシや竹製のスキ、マンガ(馬鍬)を準備し、子供たち(今年は4人)とともに素戔嗚神社にお渡りします。途中の数か所で道端の隅に竹筒を打ち込み、これに酒を注ぎます。スサノオが大蛇を退治した伝説にちなむ悪霊除けです。神社で神職(大和神社の宮司)を迎えて祭典が行われます。

子供たちの出番は、ウシにカラスキ、マンガなどを曳かせてタンボ(田圃)の耕作の所作、さらにウマと共にタンボからスモンバ(相撲場)にかけて駆け足で3周します。そのあと、役員さんがジャ・ウシ・ウマ・農具のミニチュアを神殿に安置して祭典は終わります。「もてなしの膳」は行われませんでした。

野神は稲作農耕の守護神の一つとされ、これに関する行事は大和盆地に多く見られます。新泉の野神祭を含め一括して「大和の野神行事」として国・記録選択無形民俗文化財に指定されています。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・新泉 素盞嗚神社 野神祭 2015
 ・新泉 素盞嗚神社 野神祭 2012



新泉 野神さん1
酒の入ったヤカン、酒を注ぐ竹筒、ワラで作ったウシなどを持って神社に向かいます=撮影 2019/05/03 天理市新泉町


新泉 野神さん2
道端の隅に竹筒を打ち込み、これに酒を注ぎ入れます=撮影 2019/05/03 天理市新泉町


新泉 野神さん3
春の農道を神社に向かいます=撮影 2019/05/03 天理市新泉町


新泉 野神さん4
ウシにカラスキ(唐鋤)を曳かせてタンボ(田圃)と称する砂盛を耕作します=撮影 2019/05/03 天理市新泉町


新泉 野神さん5
ウマを抱えてタンボからスモンバ(相撲場)の間を駆け足で巡る。かつては子供たちが相撲を取ったというスモンバですが、今では円形砂盛の周り3か所の竹筒に神酒を注いだだけの形式上の相撲場です=撮影 2019/05/03 天理市新泉町


新泉 野神さん6
ジャ(蛇)、ウシ、ウマ、農具ミニチュアを神殿に安置して祭典は終わります=撮影 2019/05/03 天理市新泉町

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  1. 2019/05/07(火) 12:41:59|
  2. 5月の祭り/行事
  3. | コメント:0

氷室神社 献氷祭 2019

平城遷都のころ、氷の貯蔵所(氷室)を設けて神を祭ったことに由来する伝統行事。製氷業者らが参列し、業界の繁栄祈願と物故者の慰霊を行います。例年、神前に海の幸の鯛や里の幸の鯉を封じ込めた氷の柱が奉献されます。

祭礼当日、元号が改まり令和となった初日の5月1日は、あいにくのしとしと雨でした。気温も上がらず、例年なら製氷業者によるかき氷のサービスに列をなす参拝者ですが、この日はやや低調のようす。製氷関係者は今年の盛夏到来を祈願し奉幣が行われました。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・氷室神社 献氷祭 2018
 ・氷室神社 献氷祭 2017
 ・氷室神社 献氷祭 2016
 ・氷室神社 献氷祭の舞楽 2016
 ・氷室神社 献氷祭 2015
 ・氷室神社 献氷祭と舞楽 2014
 ・氷室神社 献氷祭 2013
 ・氷室神社 献氷祭 2012
 ・氷室神社 献氷祭 2010



氷室神社 献氷祭1
奉納された鯉と鯛の氷柱=撮影 2019/5/1 奈良市春日野町


氷室神社 献氷祭2
御幣奉納=撮影 2019/5/1 奈良市春日野町

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  1. 2019/05/04(土) 20:46:18|
  2. 5月の祭り/行事
  3. | コメント:0
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・奈良県北部在住の男性です。1300年超の歴史に根ざす奈良大和の人々の信仰に支えられてきた神事・仏事や祭り、伝統行事、民俗を主に紹介しています。
・写真をご利用希望の方はメールフォーム(下段)からお問い合わせください。

次のHPも運営しています。
「野に咲く花たち」――身近に咲く花、高山に咲く花の写真、野草のウェブ図鑑

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