奈良大和路~悠~遊~

奈良大和路の祭や伝統行事、四季折々の風景を 写真で綴るフォトブログです。大和は国のまほろば、神や仏に近しく 奥は深くて おもしろい!

櫟原・生駒山口神社 秋祭り/オハキツキ 2106

神霊を迎えるため 独特のオハキを築く秋祭り

10月上旬に行われる櫟原(いちはら)の秋祭りの準備として、本当家(トーヤ)に祭神を迎えるための「オハキ」(祭壇、お仮屋、行宮)がつくられます。これを「オハキツキ(御はき築き)」と呼び、担当地区(垣内)の氏子がトーヤ宅に集まって、ほぼ一日がかりで庭にオハキを築き、お祓い神事が行われます。

5地区の輪番制で奉仕されますが、本年は上・中垣内が担当し、祭りの中心となる本トーヤはT家。トーヤを務めるのは一生に1度の幸せな巡り合わせといいます。

オハキの形態は高さ約1.6m、上部の直径は約1mの逆円錐形。天部に漆の木で作った鳥居が立ち、その後に神籬(ヒモロギ)の榊が立ちます。オハキの四方の地面を青竹で囲み土砂を敷き、四隅には忌竹を立て注連縄を張れば、神さまが宿るにふさわしいお仮屋であるオハキができあがります。併せて過去の記事(→こちら)を参照戴ければ幸いです。

オハキツキの名称は行事全体をもさし、古式の祭りの要素が濃く継承されているところから、「櫟原のオハキツキ」として県の無形民俗文化財に指定(平成21年3月)されています。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/オハキにお渡り(神幸祭) 2016
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/お渡り(還幸祭) 2015
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/お渡り(神幸祭) 2015
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/オハキツキ・お渡り(神幸祭) 2014



櫟原のオハキツキ1
オハキの骨組みは、種類の異なる7本の生木(長さ約2m、太さ約8cm)を逆円錐形に並べ、中心に1本心棒を立て全体を深さ30cmほど埋めたもの。7本の支柱の間に割り竹を交互に通して朝顔型の籠状に編み上げ、籠の隙間に杉葉を挟んで仕上げます=撮影:2016/9/25 奈良・生駒郡平群町櫟原


櫟原のオハキツキ2
漆の木で作った鳥居をオハキの天部に立てます=撮影:2016/9/25 奈良・生駒郡平群町櫟原


櫟原のオハキツキ4
オハキのお祓い神事=撮影:2016/9/25 奈良・生駒郡平群町櫟原


櫟原のオハキツキ3
神さまが降臨するヒモロギの榊が突き立つ秋の空
=撮影:2016/9/25 奈良・生駒郡平群町櫟原


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  1. 2016/09/29(木) 13:13:11|
  2. 9月の祭り/行事
  3. | コメント:0

大神神社 観月祭 2016

燈火に浮かぶ秋の夜長の観月祭

中秋の名月」は旧暦8月15日の夜の月のことですが、今年は新暦9月15日と重なりました。珍しく暦のめぐりあわせで、46年ぶり(9月16日付日経新聞朝刊)とのこと。

今年の名月鑑賞は大神(おおみわ)神社へ。あいにく厚い雲に遮られ三輪山に昇る月は見られませんでしたが、観月祭が終わってしばらく後、雲の切れ間から冴えわたる秋の十五夜の月が望めました。なお中秋の名月が満月とは限らず、今年は9月17日が満月となります。

薄暮のなか、大神神社祈祷殿前の祭壇にはススキやハギ、月見団子が供えられ祭典が始まります。名月を称えて祝詞奏上、観月句会の優秀俳句の披露に続き、特設舞台で神楽舞楽が奉奏されました。楽人、舞人は当社の神職と巫女たちがお勤めです。
 
関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・大神神社 観月祭 2013
 ・唐招提寺 観月讃仏会 2011
 ・氷室神社 夕座舞楽 2015



大神神社 観月祭1
修祓、宮司一拝、献饌、祝詞奏上、俳句披露が順次斎行=撮影:2016/9/15 奈良・桜井市三輪


大神神社 観月祭2
神楽「幸魂(さきみたま)ノ舞」  神霊を遷した榊を手に奉奏する4人舞=撮影:2016/9/15 奈良・桜井市三輪


大神神社 観月祭5
神楽「奇魂(くしみたま)ノ舞」  鈴を採りものとする4人舞=撮影:2016/9/15 奈良・桜井市三輪


大神神社 観月祭3
舞楽「蘭陵王(らんりょうおう)」  荘重で勇壮な一人舞=撮影:2016/9/15 奈良・桜井市三輪


大神神社 観月祭4
祭典の最後に宮司一拝=撮影:2016/9/15 奈良・桜井市三輪

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  1. 2016/09/16(金) 22:24:14|
  2. 9月の祭り/行事
  3. | コメント:0

倭恩智神社 シンカン祭り 2016

美しい独特の神饌で知られる古式豊かなシンカン祭り

倭恩智神社のシンカン祭りは、安永6(1777)年の宮座記録が残っているところから、240年は続いている伝統行事であることがわかります。祭礼は元来9月7、8、9日に行っていたのが近年はそれに近い3日間に変更され、輪番制による大小両当屋(オトヤ、コトヤ)によって行われています。

時代を経ても神饌御供は今も変わりなく、「七色の御供」 「荷い餅」 「花御供(杉皮御供)」と称す独特な様式の3種。初日に神職のお祓いと巫女の湯立てによって清め結界されたオトヤ宅の作業場で神饌の調整が進められます。

2日目(宵宮)は午前中に神饌の最終調整、午後から大小の御幣(白紙に包んだ洗米が括り付けられている)を先頭に3種の神饌を納めた唐櫃を担いでお渡りの後、祭礼と直会。夕刻、神前で御湯立神事が行われた後、次々訪れる参拝者の邪気を払い長寿を祈る巫女の鈴振り神楽が続けられます。

3日目(例祭)は午前中に渡御と祭礼。神饌は花御供と蒸御供の各5膳、加えて甘酒。柳の小枝に根つきの稲穂(初穂)を括り付けた、珍しい御幣(オトヤとコトヤ各1本)が神前に供えられます。祭礼のあと甘酒が参拝者に振るまわれます。

シンカン祭りは収穫祭の一種とみられますが、名称の由来などは→こちら。簡単な説明としましたので、過去の記事を参照し補って戴ければ幸いです。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・倭恩智神社 シンカン祭り(2) 宵宮 2014
 ・倭恩智神社 シンカン祭り(1) 当屋神事 2014
 ・倭恩智神社 シンカン祭り 宵宮 2013
 ・倭恩智神社 シンカン祭り(2) 宵宮 2012
 ・倭恩智神社 シンカン祭り(1) 神饌 2012



シンカン祭り1
初日の湯立神事。後方でオトヤが太鼓(左)、コトヤがチャンポラ(銅鈸子)を打つ=撮影:2014/09/03 奈良・天理市海知町


シンカン祭り2
2日目(宵宮)のお渡り。先頭から玉串を手に氏子総代、神職(田原本町池神社宮司)、御幣を持ち烏帽子に素襖(すおう)姿のオトヤとコトヤ、神饌を納めた唐櫃を担ぐトヤの身内の方=撮影:2014/09/04 奈良・天理市海知町


シンカン祭り3
3種の神饌 「七色の御供」 「荷い餅」 「花御供(杉皮御供)」→詳しくはこちら(許可を得て撮影)=撮影:2014/09/04 奈良・天理市海知町


シンカン祭り4
参拝の氏子を清める鈴祓いの神楽を舞う巫女と太鼓・チャンポラを奏打する大小の両トヤ=撮影:2014/09/04 奈良・天理市海知町


シンカン祭り5
日が暮れても続く巫女神楽=撮影:2014/09/04 奈良・天理市海知町


シンカン祭り6
3日目(例祭)の朝のオトヤ宅、調整した神饌(蒸御供)を前に
ホットひといき=撮影:2014/09/05 奈良・天理市海知町


シンカン祭り7
柳の枝に初穂を括り付けた御幣を手にオトヤ・コトヤらが宮入り=撮影:2014/09/05 奈良・天理市海知町


シンカン祭り8
神饌御供のほかに奉献された稲穂付き柳の御幣や甘酒=撮影:2014/09/05 奈良・天理市海知町

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  1. 2016/09/10(土) 13:20:51|
  2. 9月の祭り/行事
  3. | コメント:0

下市八幡神社 どんどこ詣り 2015

名月の夜 太鼓をドンドコ打って 宮詣り

下市町下市の今在家の高台(秋津城の跡)に鎮座する八幡神社。秋の例祭・名月祭には「どんどこ詣り」が行われます。

氏子役員さんたちが拝殿で祭礼を終えた夜6時半頃、各町内(22町)から老若男女こぞって高張り提灯を連ね太鼓を打ち鳴らしながら神社への坂道を登りはじめます。「タ~ンタタッタ タ~ンタタッタ」と安騎津太鼓の軽やかなリズムが刻まれ、宮詣りの行列は次々と続きます。

「太鼓の音が聞こえだすと、夕食もそぞろに心はお宮詣りに飛ぶんや」と、胸の高鳴りを口にする長老さん。どなたも幼い頃から慣れ親しんだ安騎津太鼓への愛着はとても深いようです。

各町の腕に覚えのある人に混じって子どもたちも、拝殿下の鳥居前でひとしきり太鼓の奉納演奏。お神酒を一口戴き(子どもはお菓子)次の町の人に交代。しばし談笑の後、また太鼓を打ってそれぞれの帰路に着きます。

今宵は中秋の名月。神社境内からは杜の樹がさえぎって見えませんが、神社を下れば名月が煌々と輝く街中を各地元に帰りました。社務所では役員さんたちの直会が始まります。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・室生大野海神社 いさめ踊り 2013
 ・下部神社 吐山の太鼓踊り 2013



下市八幡神社 どんどこ詣り1
高張り提灯を掲げ、オウコ(枴)で太鼓を担いで打ち鳴らしながら宮詣り=撮影:2015/9/27 奈良・吉野郡下市町下市


下市八幡神社 どんどこ詣り2
宮入りすると順次拝殿下に準備された太鼓台に置き、安騎津太鼓の奉納演奏で腕自慢=撮影:2015/9/27 奈良・吉野郡下市町下市


下市八幡神社 どんどこ詣り3
帰路も太鼓をどんどこ叩いて各町内に還行=撮影:2015/9/27 奈良・吉野郡下市町下市


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  1. 2015/09/30(水) 21:27:14|
  2. 9月の祭り/行事
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東阿田八幡神社 オカリヤ・宮遷し 2015

神さまの ひと時の住まいとなる お仮屋

五條市を流れる吉野川の流域にトーヤ(またはトヤ、頭屋)の祭祀儀礼に伴うオカリヤ(御仮屋)が伝承されています。東阿田の八幡宮氏子に残る例もそのひとつ。

東阿田では秋祭りに先立つこと1ヶ月前、氏神を迎え仮安座するためのオカリヤがトーヤの庭先に建てられます。

心柱を囲むように4本の杭を打ち横竹を渡した直方体。隙間に檜葉を差しはさみ上から青竹で押さえます。正面に御簾を吊るし、上部にも檜葉を差し込んで半球状に切り揃えて屋根とした本体が出来上がります。東向きです。

その正面に小石を敷き参道とし、手前に高さ1mの鳥居を建てて前に芝土を数枚、両脇にケイトウの鉢を置き燈篭を吊るします。最後に外側3m四方に高さ40cmほどの斎垣をめぐらし、檜葉を敷き詰め、4隅に立てた笹竹に注連縄を張ってオカリヤを完成させます。

神職(霊安寺町御陵神社宮司)によりオカリヤのお祓いを済ませた一同は八幡神社に赴き、宮遷し(神遷し)の神事を行います。

神籬(ひもろぎ)の榊を捧持してトーヤに還り、オカリヤの心柱の竹筒に立てたのち、遷座の祭礼を行います。これよりトーヤは宵宮の日まで神饌を供えるなど、氏神さまにお仕えすることになります。

この後、日を変えて「7つ御膳」の奉祭、宵宮、本宮とひと月にわたってトーヤ行事が続きます。これについては改めてご紹介したいとおもいます。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・新住八幡神社 オカリヤ 2015  
 ・生駒山口神社 櫟原のオハキツキ・お渡り 2014



東阿田八幡神社 オカリヤ1
ほぼ完成したオカリヤ全景。このあと4隅に笹竹を立て注連縄を張り巡らせます。鳥居の両脇のケイトウの花は本来地植えで紅白ですが、手に入らない白花に変えて黄花で、鉢植えが置かれます。なぜケイトウなのか、その理由は不明=撮影:2015/9/27 奈良・五條市東阿田


東阿田八幡神社 オカリヤ2
神籬(ひもろぎ)の榊を捧持してオカリヤに赴くトーヤ。車が往来する
国道を渡るため、お渡り行列(約10人)が分断されました=撮影:
2015/9/27 奈良・五條市東阿田


東阿田八幡神社 オカリヤ3
神霊を遷した榊をオカリヤ心柱の竹筒に挿したのち、遷座の祭礼が行われます=撮影:2015/9/27 奈良・五條市東阿田

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  1. 2015/09/29(火) 17:43:58|
  2. 9月の祭り/行事
  3. | コメント:0
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Author:なわじゅん
・奈良県北部在住の男性です。1300年の歴史に根ざす奈良大和の人々の信仰に支えられてきた神事・仏事や祭り、伝統行事、民俗を主に紹介しています。
・写真をご利用希望の方はメールフォーム(下段)からお問い合わせください。

次のHPも運営しています。
「野に咲く花たち」――身近に咲く花、高山に咲く花の写真、野草のウェブ図鑑

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