奈良大和路~悠~遊~

奈良大和路の祭や伝統行事、四季折々の風景を 写真で綴るフォトブログです。大和は国のまほろば、神や仏に近しく 奥は深くて おもしろい!

丹生町 丹生神社 宵宮祭/ヨコトビ・スモウ 2017

奈良市丹生町に鎮座する丹生神社の祭神は、水の女神(罔象女神=みづはのめのかみ)。室町時代に行われていたと推定される「題目立」の詞章の断片や能面が保存されているなど、古典芸能との深い関係をうかがわせます。

秋祭りの宵宮と本祭でヨコトビ(横跳び)とスモウ(相撲)が行われます。今年は台風の接近のため、あいにく小雨が降る宵宮となりましたが、舞台(拝殿)ではこの芸能的所作が予定どおり奉納されました。

社務所の祭壇でお祓いを受けたあと、トギョウニン(渡行人)と呼ばれる7人は宮司、トーヤ(当地では「当家」と表記)らとともに舞台に上がり、まずは右回りに3周。次いでササラ、鼓、太鼓持ちが順にヨコトビを行います。

この後、笛3人は舞台に残り、ひとりは行司となり2人が四つに組んでのスモウです。他で見られる形式的なスモウではなく、力の入った取り組みが見られます。とはいえ勝負は初めから決まっている出来スモウ。

舞台上の所作に周りから笛(ホイッスル)や声援がとび、祭りの夜は賑やかに進行しました。ご供配りと直会が終わったあと、トーヤとトギョウニンはこの夜、翌日の例祭にそなえ社務所に参籠するとのことでした。

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丹生神社 宵宮祭/ヨコトビ・スモウ1
榊を手にした氏子総代を先頭に宮司、当家、渡行人(ササラ1、鼓1、太鼓2、笛3)が舞台を時計回りに3周=撮影 2017/10/21 奈良市丹生町


丹生神社 宵宮祭/ヨコトビ・スモウ2
「ヨコトビ」の作法。 床に立てたササラを中心に三角形を描くように右回りに3回跳ぶ、いわばサンカクトビ(三角跳び)ですが、ヨコトビと呼んでいる。三角形に跳んだあと、正面で左右横に跳ぶ。外野から「ヨイショ、ヨイショ、ヨイショ」の掛け声も=撮影 2017/10/21 奈良市丹生町


丹生神社 宵宮祭/ヨコトビ・スモウ3
鼓を倒して邪魔をする。演者はまず鼓を2回打って床に立てたのち、開いた扇で仰ぎながら、だんだん大きく円を描いて鼓の周りを廻るが、鼓を倒されると初めからやり直しさせられる=撮影 2017/10/21 奈良市丹生町


丹生神社 宵宮祭/ヨコトビ・スモウ4
観客を沸かせる力の入った「スモウ」。「ヨーイトコーリャ」(神輿を担ぐときの掛け声と同じがおもしろい)の声援がとぶ。実は初めからどちらが勝つか分かっているスモウです=撮影 2017/10/21 奈良市丹生町

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  1. 2017/10/23(月) 13:24:38|
  2. 10月の祭り/行事
  3. | コメント:0

東阿田八幡神社 宵宮祭 2017

五條市東阿田では、秋祭りの10日ほど前、トーヤの庭にオカリヤ(御仮屋)を建て、神社から氏神を迎えて宮遷し(神遷し)の祭典を行います(→こちら)。神様をお還しする本祭の日まで神饌を供えるなど、身近にご奉仕する文化がいまに伝わります。

例祭の前日(宵宮)、すっかり辺りが暗くなったころ、トーヤ宅からススキ提灯(十二振り提灯)2基を掲げ太鼓を打ちながら神社に参拝します。神饌(鯛、飯、餅、茸、菊菜、コンニャクの煮物、かまぼこ)を供えて一同拝礼。その後、境内で神饌のお下がりを配ります。参拝者はお神酒とコンニャク、かまぼこ、ご飯を手のひらに戴きます。ゆったりした談笑の時が流れます。

なお、「七つ御膳」と呼ばれる珍しい神饌を例祭の1周間ほど前に本殿の屋根の上に供えます(1年間そのまま)。本祭では「九つ御膳」(中身は同じで9膳)を献じるとのこと。両御膳をお供えする場面は未見ですが、「七つ御膳」の写真をあげました。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・東阿田八幡神社 オカリヤ・宮遷し 2015
 ・新住八幡神社 オカリヤ 2015  
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/お渡り(神幸祭) 2015
 ・桜井市倉橋 宮講の秋祭り/宮迎え 2016



東阿田八幡神社 宵宮祭1
ススキ提灯を掲げて鳥居をくぐり、神社に参進=撮影 2017/10/14 奈良・五條市東阿田町


東阿田八幡神社 宵宮祭2
ススキ提灯を並べ、拝殿に上り参拝


東阿田八幡神社 宵宮祭3
本殿の屋根の上に供えられた「七つ御膳」 わら製の輪の中心に置いた里芋に竹串を差し、その先端に柿、豆、ゆず、栗、茄子、餅の6種。全部で7膳(許可を得て撮影)


東阿田八幡神社 宵宮祭4
神饌のお下がりを戴く参拝者。お酒、ご飯、コンニャク煮つけ、かまぼこ


東阿田八幡神社 宵宮祭5
拝殿で太鼓に興じる子供たち

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  1. 2017/10/20(金) 15:22:35|
  2. 10月の祭り/行事
  3. | コメント:0

興ヶ原天満神社 宵宮祭/翁舞 2017

奈良市興ヶ原(おくがはら)町の天満神社は約300年前、個人の鎮守であったのを村の氏神としたと伝承されます(神社掲示板)。祭神は、いうまでもなく菅原道真公。

まっすぐ高く伸びる石段を上がると、美しい玉垣に囲まれた社殿が迎えてくれます。大杉がそびえ雰囲気のある境内です。2年前(2015年9月)、20年に一度の造営工事が完成。このとき、茅葺屋根であった舞台(拝殿)を薄鋼板葺きに改築。本殿、社務所、鳥居などの改修とともに玉垣が新設されました。

例祭の宵宮には、舞台で翁舞が奉納されます。豊作を祝う祝福舞。「翁式三番」と呼ばれますが、ここは翁(白式尉)のみが演じる「ひとり翁」です。シテの翁、地謡を務めるのはオトナ衆。翁舞保存会が伝承を担っています。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
狭川九頭神社 神事芸能/翁舞、ピッピラなど 2017
柳生八坂神社 秋の例祭・宮座行事 2017
阪原長尾神社 秋祭り/ジンパイ・スモウ 2017
大保八坂神社 氏神祭/ヨコトビ 2017
大保八坂神社 宵宮祭/サンカクトビ 2017



興ヶ原天満神社 翁舞1
本殿から絹垣(きぬがき)で囲って神輿に神遷し=撮影 2017/10/14 奈良市興ヶ原町


興ヶ原天満神社 翁舞2
(手前上座から)自治会会長・自治会役員(2)・氏子総代(3)、(奥に)オトナ衆(7名)・トーヤ・シテ(翁)が列席し祭典中の舞台(拝殿)=撮影 2017/10/14 奈良市興ヶ原町


興ヶ原天満神社 翁舞3
翁の面を着けるシテ=撮影 2017/10/14 奈良市興ヶ原町


興ヶ原天満神社 翁舞4
神輿を前に翁舞=撮影 2017/10/14 奈良市興ヶ原町

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  1. 2017/10/19(木) 13:56:12|
  2. 10月の祭り/行事
  3. | コメント:0

狭川九頭神社 神事芸能/翁舞、ピッピラなど 2017 

東山中(奈良市東部)一帯には田楽系の芸能が多く伝承されています。当神社の秋祭りに奉納される芸能もその一つ。「狭川の神事芸能」として県の無形民俗文化財に指定されています。

祭り当日、拝殿で祭典中に翁舞を奉納します。続いてお渡りのための神幸祭を執り行った後、タベノモリ(田部神社)にあるお旅所に向けてお渡り(オタビ)を開始。

お旅所でも祭典(着輿祭)があり、ここではオドリコが田楽舞「パタランパタラン」と三角跳び「ピッピラ」を奉納します。

オドリコの内3人は神輿よりも早く本社に戻り、まずは鳥居の下で「パタランパタラン」を演じます。他のお渡り衆や神輿に遅れてはいけないそうですが、その理由は不明。

本社に神輿が還御し拝殿で還幸の儀が進行する中、前庭では「バタランバタラン」、「ピッピラ」に続いて、お旅所で演じられなかった「コハイ(鼓拝)」、「タチハイ(太刀拝)」、「スモウ(相撲)」が奉納されます。どれも素朴な所作による、味わい深い芸能です。

枚数は多くなりますが、時系列的に奉納舞の画像を上げておきます。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
狭川九頭神社 神事芸能 2012



狭川九頭神社 神事芸能1
翁舞」  拝殿にて「どうどうたらりたらりどう」…「ところ千代までおわしませ」などと、録音再生の謡にのって舞う翁=撮影 2017/10/9 奈良市下狭川町


狭川九頭神社 神事芸能2
お渡り 本社を出発=撮影 2017/10/9 奈良市下狭川町


狭川九頭神社 神事芸能3
「パタランパタラン」 御旅所にて。ここでのみ両西敬神講と下狭川敬神講の講員が合同で舞う=撮影 2017/10/9 奈良市下狭川町


狭川九頭神社 神事芸能4
「ピッピラ」(三角跳び) 以下の舞は両西敬神講による=撮影 2017/10/9 奈良市下狭川町


狭川九頭神社 神事芸能5
「パタランパタラン」 本社の鳥居下にて=撮影 2017/10/9 
奈良市下狭川町


狭川九頭神社 神事芸能6
「パタランパタラン」  以下本社前庭にて=撮影 2017/10/9 奈良市下狭川町


狭川九頭神社 神事芸能7
「ピッピラ」  笛に合わせ三角形を描くように3回跳ぶ=撮影 2017/10/9 奈良市下狭川町


狭川九頭神社 神事芸能8
「コハイ」  前に3回跳び、後ろに2回跳んで元に戻る=撮影 2017/10/9 奈良市下狭川町


狭川九頭神社 神事芸能9
「タチハイ」  神宝の太刀を机上に置き、右手で右耳に挟んだ紙片を取る素振りを2回。3回目で紙片を取って太刀の横に置き、太刀を右肩に担いで後退=撮影 2017/10/9 奈良市下狭川町


狭川九頭神社 神事芸能10
「スモウ」  額に「ボウシ」を巻き、素襖の上から褌を付け、向かい合ってお互い肩に手を置いて左回りに3回、右回りに2回跳ぶ=撮影 2017/10/9 奈良市下狭川町

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  1. 2017/10/18(水) 13:48:42|
  2. 10月の祭り/行事
  3. | コメント:0

柳生八坂神社 秋の例祭・宮座行事 2017

柳生町にある八坂神社は柳生陣屋跡の北隣に鎮座。当神社の秋祭りには、中世の面影を残す「スモウの舞」、「ササラの舞」、「ヨーガ(影向)の舞」が神前で奉納されます。例祭行事は「柳生の宮座行事」として県の無形民俗文化財に指定。

柳生町は上と下の2地域に分かれ、それぞれジュウニン衆と呼ばれる氏子の男子によって宮座を構成。トーヤ(当屋)を出す地域のジュウニン衆(実際は12名居るらしい)が当番となって神社行事を担当します。かつては秋の例祭を「当屋祭」と呼んでいたそうです。

例祭当日、ジュウニン衆はトーヤ宅に集まり、小宴会のあと神棚に拝礼。庭で列をつくり時計回りに3周します。「ピーピッ」(笛)に次いで「ドン」(太鼓)の音で神社までお渡りを開始。

氏子総代、自治会長らの出迎えを受けて神社に到着。宮司、トーヤ、氏子総代らは本殿前の拝殿に上り祭典を執り行う一方、舞を担当するジュウニン衆は舞殿(舞台)に上がって右回りに3周して着座。宮司の祝詞奏上が終わると、ジュウニン衆により神事芸能が始まります。

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 ・阪原長尾神社 秋祭り/ジンパイ・スモウ 2017
 ・大保八坂神社 氏神祭/ヨコトビ 2017
 ・大保八坂神社 宵宮祭/サンカクトビ 2017



柳生八坂神社 宮座行事1
トーヤ宅の庭。榊を持つ一老を先頭にして右回りに3周。ジュウニン衆は右手に持つ白扇を横向きに目の高さに拝して進みます。ジュウニン衆の装束の素襖は黒地に独特の文様=撮影 2017/10/9 奈良市柳生町


柳生八坂神社 宮座行事2
お渡りの一行。先頭から、御幣持ち(2名、トーヤの親族)、宮司、トーヤ、ネギ、以下ジュウニン衆。最後尾にトーヤの家紋入り垂れ幕を荷台に付けカミサンと呼ぶ木箱などを載せた軽トラックが続く=撮影 2017/10/9 奈良市柳生町


柳生八坂神社 宮座行事3
紅白の幣を付けた侍烏帽子を被るジュウニン衆=撮影 2017/10/9 奈良市柳生町


柳生八坂神社 宮座行事4
「スモウの舞」 両手を広げ片足を一歩前に出し、「ピーピッ、ドン」の音に合わせて抱き合う形となる。なお注連縄を付けた木箱2個は装束や楽器を保管するもので、カミサンと呼びトーヤが1年間預かる=撮影 2017/10/9 奈良市柳生町


柳生八坂神社 宮座行事5
「ササラの舞」 ササラを広げ片腕にかけ、持った手でササラを振って
「カラカラカラ」と音を鳴らす=撮影 2017/10/9 奈良市柳生町


柳生八坂神社 宮座行事6
「ヨーガの舞」 ヨーゴの舞ともいい「本来は影向(ようごう)の意」(石田宮司)とのこと。ジューニン衆の謡に合わせ両手を頭上に挙げながら日の丸扇を広げ、大きく円を描くように両手を降ろす。「サカエシタモウ」などの謡に合わせ幾度か繰り返す=撮影 2017/10/9 奈良市柳生町

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  1. 2017/10/17(火) 13:32:16|
  2. 10月の祭り/行事
  3. | コメント:0
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プロフィール

Author:なわじゅん
・奈良県北部在住の男性です。1300年超の歴史に根ざす奈良大和の人々の信仰に支えられてきた神事・仏事や祭り、伝統行事、民俗を主に紹介しています。
・写真をご利用希望の方はメールフォーム(下段)からお問い合わせください。

次のHPも運営しています。
「野に咲く花たち」――身近に咲く花、高山に咲く花の写真、野草のウェブ図鑑

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