霧氷の三峰山 (みうねやま)
大和と伊勢の境にまたがる
三峰山は台高山地から北側に続き、
高見山の東部に位置する標高1235mの高原状の山。山頂には
一等三角点「三嶺山」が設置されています。
山頂付近や南斜面に続く
八丁平からは北に室生火山群、西に
高見山を中心とした台高山脈、南に南勢の峰々の展望が開けます。冬期は
霧氷・
樹氷が美しい山として人気が高く、臨時バスが運行される土日は登山客で賑わいます。
今冬はいつになく厳冬で、大雪の被害も報じられているほどですから、さぞ美しい
霧氷が見られるだろうと期待して出かけました。ところが風が強いせいで
霧氷は落下が激しく、頂上付近ではほとんど見られないありさま。ま、ご覧ください。
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霧氷の高見山(2010年)

これは昨年の情景。
八丁平から
三峰山頂を見上げたところ。霧氷はむしろ少なく、期待はずれで山を降りたのでした。ところが今回はもっと霧氷が少なく・・・(次の写真をご覧あれ)。撮影:2010/1/10 奈良・御杖村

今回、上の写真とほぼ同じ場所から
山頂付近を見た景色。積雪は昨年より多かったものの、強風のため
樹氷・霧氷はすっかり落ちてしまっています。撮影:2011/1/29 奈良・御杖村
八丁平の南側の雪景色。積雪は30cm程度でしょうか。ここは南西からの風が強く当たり、また天気の良い日には日差しがあるからでしょう、余り積雪量は多くありません。撮影:2011/1/29 奈良・御杖村

吹き溜まりでは50cmもありそうな積雪の
三峰峠(1,190m)付近。撮影:2011/1/29 奈良・御杖村

端正な三角錐の
高見山が珍しく遠望できました。
撮影:2011/1/29 奈良・御杖村

一部氷結した
不動の滝(手持ち撮影)。撮影:2011/1/29
奈良・御杖村
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- 2011/01/31(月) 18:01:45|
- 季節の風景・冬
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若草山焼き 2011
早春の奈良の風物詩――伝統の夜空を焦がす火の祭典今年の
山焼きは22日(土)、昨年と同じく
600発の打ち上げ花火が厳寒の夜空を彩り、山に火が放たれると乾燥気味の山肌が見る間に紅蓮の炎に包まれました。
今年は山裾の大篝火の近くから広角レンズで撮影を試みたところ、
花火の大きさ、迫力がそがれてしまい失敗でした(笑)。
春日大社、
興福寺、
東大寺をはじめとする関係者の姿が
花火とともにある光景。これも
山焼きの一断面と思いご紹介します。
若草山焼きの由来などについては以前の記事(下のリンク)に紹介しました。併せてご覧いただければ幸いです。
いずれにしても現在では
春日大社、
興福寺、
東大寺の
神仏が習合し、鎮魂・慰霊、防火、そして人々の平安を祈る祭典として奈良に根付いた伝統行事となっています。
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若草山焼き 2019 ・
若草山焼き 2016 ・
若草山焼き 2015 ・
若草山焼き 2014 ・
若草山焼き 2013 ・
若草山焼き 2012 ・
若草山焼き 2010

若草山山麓の南西隅にある野上神社で祭典が行われたあと、松明に引き継いだ聖火を山裾の大篝火に移しているところ=撮影:2011/1/22 奈良市若草山

聖火が移されるなか大篝火を取り巻き、防火と人々の平安を祈り読経する僧侶たち=撮影:2011/1/22 奈良市若草山

打ち上げられた1番
花火。広角レンズで撮影のため
花火が小粒に見えますが、実際はこの位置で眺めると頭上を覆いつくさんばかりに大きく見えます=撮影:2011/1/22 奈良市若草山 三脚使用
花火30連発のごく一部。可愛い動物を模した花火もありました=撮影:2011/1/22 奈良市若草山 三脚使用

変り種。可愛く多彩な光の軌跡が楽しめました=撮影:2011/1/22 奈良市若草山 三脚使用

打ち上げ花火が終わり消防団の皆さんによって火が放たれると、瞬く間に山肌は紅蓮の炎となって染まりました。手前は火炎を見つめる白丁のふたり=撮影:2011/1/22 奈良市若草山
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- 2011/01/23(日) 21:19:16|
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夜に行われ 古式を残す平尾のオンダ(御田植祭)平尾水分神社は江戸期に宇陀水分神社より水分神を勧請して祀られた末社。毎年1月18日、本殿石段前に設けた板張り舞台で、五穀豊穣を祈る予祝の神事としてオンダが行われます。
午後7時ころ、神職(墨坂神社宮司)と氏子代表らにより本殿前で厳かに神事が行われます。次いで社務所で関係者のお祝いの宴(直会)が開かれたあと、「
ショトメ(早乙女/初乙女)」と呼ばれる子供5人が1人ずつおんぶ、あるいは抱っこされて舞台に上がります。早乙女役を子供が演じるのは珍しく、最近は男児不足から女の子も加わるようになったそうです。
午後8時ごろ、いよいよお田植えが始まります。太夫役の「大当(だいとう)」と神主役の「小当(しょうとう)」が神前に向かって、江戸時代頃の旧い言葉で 「・・・吉日吉時をもって正月18日に三社大明神の御前にて御田植仕り候・・・」 のような台詞が声高らかに語られます。舞台外から合いの手が入り、素朴で暖かい雰囲気の中で進められます。
「鍬入れ」「苗代作り」「水入れ」「種籾まき」「お田植え」・・・などと一連の農作業が続きます。この中には現在の稲作では見られなくなった「
芋つむぎ」や「
鳥追い」など珍しいものが組まれており、注目されます。
ひと息入れるころ(間炊=ケンズイ)、「
若宮さん」と呼ばれる全身にコヨリを巻きつけた人形が「小当」によって運ばれます。病気平癒を祈願する人形で、自分の体の治したい箇所と同じところのコヨリを貰い受け、患部をなでると治癒するとのことで、大勢の氏子や参加者が嬉しそうにコヨリを戴いていました。全体を通して古風で味わい深いユニークなお祭りです。
「平尾のオンダ」として県の
無形民俗文化財に指定(1992年3月)。
関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
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平尾水分神社 おんだ祭 2012
福の種をまくこと 「まこよ まこよ 福の種をまこよ・・・わらべたちの肩えは きさだ餅の 種をまこまこよ・・・」と大当が種籾を蒔きます。小当は所作のはじめに「福の種を蒔くこと」「苗とりのこと」などと言って進行を司ります=撮影:2011/1/18 奈良・宇陀市大宇陀区平尾
お田植えのこと ショトメ(早乙女/初乙女)が苗と笠をもち大当に従って舞台を回りながら謡います。(ショトメ)「若いショトメをしともみもんだれば 実は立ったら竹になる 今年の稲は」 (囃子)「稲三輪 米八石」=撮影:2011/1/18 奈良・宇陀市大宇陀区平尾

小当に抱えられて登場の翁面の「若宮さん」
普段はご神体として祀られているそうです=
撮影:2011/1/18 奈良・宇陀市大宇陀区平尾

「若宮さん」に巻かれたコヨリをもらって帰る氏子。患部に当てると治癒するといわれる霊験あらたかなコヨリです=撮影:2011/1/18 奈良・宇陀市大宇陀区平尾
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- 2011/01/19(水) 23:21:22|
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火の粉をまき散らし過去の罪穢れを焼き払う火祭り「
鬼はしり」は念仏寺の
修正会(しゅうしょうえ)結願(けちがん)の作法として行われるもの。過去の罪を悔い、身に積もった穢れを払い、新しい年の平安を祈る阿弥陀悔過法会(けかほうえ)として毎年1月14日に行われています。東大寺二月堂の「お水取り」での大松明の火の粉も同じ意味ですね。
なお「
鬼はしり」に登場する鬼は善鬼であり、修二会に登場する追われる鬼とは異なり、救いと幸せをもたらします。
念仏寺本堂が俗に
陀々堂と呼ばれるのは、達陀(だったん)の秘法を行うお堂ということから、だったん堂、転じて
陀々堂になったと考えられています。
今年で
526回目となる「
鬼はしり」。夜9時ころ、迎えの小松明に先導されて鬼が正面から入堂します。鐘・太鼓の音、法螺貝の響き、それに「カタン、カタン」と板壁を叩く乾いた音、僧侶の読経(「
乱声(らんじょう)行法」)が続くなかで、火天(かって)役による「
火伏の行」のあと、赤鬼(父鬼)、青鬼(母鬼)、茶鬼(子鬼)が順次戸口に大松明を持って現れ、
火祭りは最高潮に達します。
「
陀々堂の
鬼はしり」として県の
無形民俗文化財(1980年3月)および国の
重要無形民俗文化財(1995年12月)に指定されています。
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念仏寺陀々堂 鬼はしり 2017 ・
念仏寺陀々堂 鬼はしり 2013

読経、鐘、太鼓、板壁を打つ(棒打)音が響く中を、燃え盛る松明を肩にした
火天(かって)が北戸口に向かって進んできたところ。笹竹と水桶を持った
水天(かわせ)二人の姿も見えます。床に落ちた火を消してまわります=撮影:2011/1/14 奈良・五条市大津町

「
火伏(ひぶせ)の行」 燃え盛る大松明を「水」の字に振り回す火天=撮影:2011/1/14 奈良・五条市大津町

1番松明を持って中央の戸口に現れた赤鬼。右手に斧、左手では大松明を片膝に乗せ、正面を睨みつけて火の粉を振りまき仁王立ち。両腕、両脚の16ヵ所に結び付けられた
紙縒(こより)は禍除けになるとの俗信から、行の終わったあと参詣者がそれらを奪い合うほどです。松明は高さ120cm、直径70cm、重さ60kgという大きさ=撮影:2011/1/14 奈良・五条市大津町

箒木(ほんぼく、ほうきぎ)を持つ青鬼(母鬼)=撮影:2011/1/14 奈良・五条市大津町

槌を持つ茶鬼(子鬼)=撮影:2011/1/14 奈良・五条市大津町
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- 2011/01/15(土) 21:42:31|
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明日香・栢森 綱掛神事 2011
女綱を飛鳥川に掛け仏式で祈願するカンジョ掛け行事「男綱」の
綱掛神事を行う稲渕から2.5Kmほど
飛鳥川の上流に位置する
栢森(かやのもり)地区。無病息災・子孫繁栄・五穀豊穣の祈りを込めて
カンジョ掛け(勧請
綱掛)が行われますが、
栢森では女性の象徴を意味する「
女綱(めづな)」が
飛鳥川をまたいで掛けられ、
仏式で法要が営まれるという違いがあります。
集会所そばの作業場で「
女綱」が地区の男たちの手で編み上げられ、すべての準備が整うと龍福寺の住職を先頭に地区の入り口にある福石と(陰物とも)呼ばれる石まで運ばれます。石の上に祭壇を設け「
女綱」を置き、住職の読経が行われます。
栢森地区では法要が終わってから、綱の掛け替え作業が始めらました。
「
女綱」を作る様子などの準備風景は以前にあげましたので、併せてご覧戴ければ幸いです(下記リンク)。
関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
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綱掛神事(男綱)-明日香・稲淵 2008 ・
綱掛神事(女綱)-明日香・栢森 2008 ・
明日香・稲渕 綱掛神事 2011 ・
椣原の綱打ち行事(勧請綱掛け) 2013

栢森地区の入り口にある
カンジョ掛けの場所。福石(陰物)と呼ばれる石があり、ここで龍福寺住職による法要が始まる。4x4に並べ竹に挟み込んだ独特のお供えの蜜柑は式後に見物人に配られます。撮影:2011/1/11 奈良・高市郡明日香村栢森

掛け渡す綱の真ん中あたりに付けられる女性の象徴に似せた陰物。その底には蜜柑が付けられています。撮影:2011/1/11 奈良・高市郡明日香村栢森

新旧交代の一場面。新しい「女綱」への掛け替えが無事終わり、旧い綱はトンドとして燃やされ、煙となって谷間に広がって消えていきます。撮影:2011/1/11 奈良・高市郡明日香村栢森

川や道路から悪疫・災害が侵入しないようにとの願いがこもった「女綱」。今年1年間、柏森地区の平和と安寧が守られます。撮影:2011/1/11 奈良・高市郡明日香村栢森
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- 2011/01/13(木) 13:58:37|
- 1月の祭り/行事
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