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奈良大和路~悠~遊~

奈良大和路の祭や伝統行事、四季折々の風景を 写真で綴るフォトブログです。大和は国のまほろば、神や仏に近しく 奥は深くて おもしろい!

桜井市浅古 宮講の秋祭り/宮講祭 2016

烏帽子に狩衣姿で宮参り

桜井市浅古(あさご)の氏子で組織される宮講の秋祭り。別項で取り上げた倉橋の宮講と同様にトーヤの庭にオカリヤ(お仮屋/お仮殿)を築き、下居(おりい)神社の分霊を祀り祭典を行います。

オカリヤは春日造りで屋根は檜葉で葺き棟に太い青竹を載せたもの。全体の高さは約1m50cm、下部は菰で巻いてあります。オカリヤ内の棚にはお汝参りで吉野川から持ち帰った小石が置かれているそうです。宮迎えの日、分霊を遷したヒモロギ(神籬)の榊がオカリヤの砂に立てられます。

宮迎えの日から数えて3日目、烏帽子・狩衣姿のトーヤ、一老、二老、三老および見習い(次期トーヤ)の講衆5名は御幣を奉持して下居神社に車で参向。神職(等彌神社宮司)を迎えて宮講祭を執り行い、その後拝殿で直会を開きます。翌日、トーヤだけが御幣とお供え餅をもって神社に参詣して宮送りを行うといいます。

なお下居神社は下(しも)・浅古・倉橋の3ヵ大字域の山上に鎮座。祭神の彦八井耳命(ひこやいみみのみこと)が皇位を弟に譲り、宮居を去って春日県に降居したため、「下居」の名がついたと伝わり、式内社に比定される古社です。

大字・下ではオカリヤを祭壇と呼び習わし栗の木のヒモロギを祀って、倉橋や浅古と同様に秋の祭典を行っていると聞きます。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・桜井市倉橋 宮講の秋祭り/宮送り 2016
 ・桜井市倉橋 宮講の秋祭り/宮迎え 2016
 ・桜井市倉橋 宮講の秋祭り/宮送り 2015



浅古 宮講祭1
等彌神社宮司、禰宜に続いて烏帽子・狩衣・下駄ばきのトーヤら講衆が参進=撮影:2016/10/14 奈良・桜井市浅古


浅古 宮講祭2
割拝殿で修祓を受ける狩衣姿のトーヤら講衆。並ぶ下駄が印象的=撮影:2016/10/14 奈良・桜井市浅古


浅古 宮講祭3
トーヤの玄関先に築かれたオカリヤ。ヒモロギの榊は檜葉に埋もれて
見えていません=撮影:2016/10/14 奈良・桜井市浅古


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  1. 2016/10/17(月) 11:52:33|
  2. 10月の祭り/行事
  3. | コメント:0

桜井市倉橋 宮講の秋祭り/宮送り 2016

伝統行事を守ろうとする 祭り講の心意気を見る

宮講(祭り講)のトーヤの庭先にオカリヤ(お仮屋)を築き、神遷し(宮迎え)を行ったのは2週間前(こちら)。以降、氏神を身近に祀って奉仕してきたトーヤは、他の講衆とともに下居(おりい)神社への宮送り行事を行います。

一同はオカリヤの前で拝礼後、日の丸扇子を頭上にかざして「オー オー オー」と連呼。オカリヤに立つヒモロギ(垂弊、木綿、初穂を付けた栗の木)、日の丸御幣、神饌などを軽トラックに積み込んで下居神社に向けて出発。

途中で倉橋の氏神である倉橋神社に参拝後、山道を下居神社に参向。下居神社ではヒモロギと日の丸御幣を神前に奉り、神職(等彌神社宮司)により神遷しの神事が執り行われ、豊作感謝、家内・地域の安全、招福・健康・長寿などを祈願します。

ところで、本年から浄衣や素襖を着るのはやめにしたとのこと。それにお渡りも徒歩ではなくなりました。時代の風が吹きつけています。なにしろ倉橋宮講の構成員は全部で5名。1年交代でトーヤを務めます。負担も少なからずあり、ご苦労がしのばれますが、少々形を変えてでも、この奥ゆかしい伝統行事をなんとか継承したいと努力されている皆さんの心意気が嬉しいです。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・桜井市倉橋 宮講の秋祭り/宮迎え 2016
 ・桜井市倉橋 宮講の秋祭り/宮送り 2015



倉橋 宮送り1
トーヤを中心にして下居神社の氏神を祀ったオカリヤの前で「オー オー オー」と連呼し、ヒモロギ渡御を開始。残念なことに今年から平服姿でのご奉仕となりました(昨年は→こちら)=撮影:2016/10/14 奈良・桜井市倉橋


倉橋 宮送り2
栗の木のヒモロギと日の丸御幣を奉持して宮入りする前トーヤ=撮影:2016/10/14 奈良・桜井市倉橋


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  1. 2016/10/16(日) 21:02:45|
  2. 10月の祭り/行事
  3. | コメント:0

倭文神社 秋祭り(蛇祭り) 2016

人見御供の風習を今に伝える秋祭り

倭文(しずり)神社の秋祭りは「蛇祭り」と呼ばれ、人の形に似せた神饌(ヒトミゴク)と共に大蛇に見立てた大松明を担いで町内を練り歩きます。最後尾には太鼓台が従う美しいお渡りです。途中、時風神社と蛇塚に参拝し神饌を供えます。

ところで蛇祭りの由来は――
かつて、暴れる大蛇を鎮めるため、幼児を捧げる風習があったこの村に、一人の僧(弘法大使とも理源大師とも)がやって来て大蛇を退治したという。以来、人身御供に代わって人形を擬した神饌を供えるようになったといいます。

「ヒトミゴク」と呼ばれる段飾り餅は、里芋を半割にし髭状の根を頭髪に見立て、「へのへのもへ(の)」で眉、目、鼻、口を書いて顔とし、衣服をサオモチで表して5段(10個)、4段(1個)または3段(1個)に竹串で差しそろえた人形(ひとがた)の特殊神饌。別に手として長めのサオモチが2本付けられています。

また、「ハナゴク(花御供)」と呼ばれる小型の神饌もあります。盃、菊花、柳箸、茄子(なす)、飯を粘土製の高杯などの上に載せ、色和紙を巻いて水引きを掛けた飾り物。

献饌の際、神様を喜ばせるめに乱暴に供えるのがよいとのことで、放り投げるような荒っぽい手渡しが行われます。

神事のあと拝殿の前で相撲(角力)が奉納されます。幼児の小相撲(こずもう)、少年の中相撲(ちゅうずもう)、男子青年による大相撲(おおずもう)の3取り組み。青年は丸帯を巻いた太刀の上に日の丸扇子を置き、その扇子に矢を投げて日の丸に早く突き立てた方が勝ちとなります。

大松明は相撲が始まる前に燃やされていました(献饌の最中に点火されるらしく、今回拝見できず)。ともあれ見どころの多い秋祭りです。

なお、大蛇に見立てた大松明を燃やすのは、大蛇退治を象徴しているのでしょう。そして暴れる蛇は暴れ川を意味し、佐保川と秋篠川が合流する当地のことですから、蛇祭りはかつての水難除け祈願が色濃い伝統行事といえるでしょう。

関連記事(当管理者の関連写真記事)
 ・元石清水八幡宮・八幡神社 秋祭り/宵宮 2018
 ・田原本八坂神社 華鎮祭 2016
 ・門僕神社 秋祭りの神饌 「すこ」と「犬の舌」 2012



倭文神社 蛇祭り9
祭典・お渡りに先立ち、子供たちを載せた太鼓台が町内を巡行。お渡りの際には最後尾でお練りに加わります=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り1
初穂とお神酒の入った桶(実はからっぽ)を担ぐ隣組役員を先頭に農家組合長、神職(春日大社より出仕)、明神講役員(6名)らが続くお渡り=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り2
ヒトミゴクを抱える明神講役員(白装束)、隣組役員(青装束)=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り3
前から二人目が抱える餅3段のヒトミゴクには、唯一ズイキで作った蛇が備わります。蛇は口を大きく開けて赤い舌を出し、今にも嚙みつきそうでリアルな姿。本殿南隣の若宮社に供えられます=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り4
大蛇を表す大松明のお渡り。赤い帽子風の被り物を頭に載せた組当番の青年が大蛇に跨っています=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り5
荒っぽい献饌に神様は喜ぶというが、参拝者も大喜び。神饌には直接手が触れないよう、着衣の袖で覆った手を使います=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り6
ハナゴクと呼ばれる美しい小物の神饌。上段から順に盃、菊花、柳箸、茄子(なす)、飯の5種4組=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り7
少年相撲の取り組みに拝殿前は沸き返ります。勝敗はつけません=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り8
青年の大相撲。丸帯を巻いた太刀と日の丸扇子の回りを3周し、「勝負」の声で耳に挟んでいた小さな矢を日の丸に投げて突き立て、早いほうが勝ち=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町

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  1. 2016/10/13(木) 22:43:57|
  2. 10月の祭り/行事
  3. | コメント:0

櫟原・生駒山口神社 秋祭り/還御(還幸祭) 2016

男の神様だけ先に神社にお還り

<この項は櫟原(いちはら)・生駒山口神社の秋祭り/オタビ(神幸祭)に続く宵宮祭です。>
オハキへの遷幸(オタビ)以降トーヤで祀られて6日目にあたる宵宮の日、神霊はトーヤから神社への還御が行われます。まずは昼間に男神(スサノオノミコト)のみ神社にお還りです。

オハキへのオタビのときと同様に鍬で道を造りながら、トーヤ、ケイヨウニンらが棚田の広がる山道を下って神社に向かいます。村人は神様の通行の邪魔にならないよう外出を控えたり、たまたま出会った車などは脇道にそれて待機しなければなりません。

姫神(クシイナダヒメノミコト)は、ゴヤオクリ(後夜送り)といって、夜中の闇に紛れひそかに神社に送ります。「ゴヤオクリに出会うと命が短くなる」との言い伝えがあるそうです。神幸は暗がりで極秘のうちに行うという、古い時代のしきたりが残されていて、たいへん興味深くおもわれます。(県無形民俗文化財)

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/オタビ(神幸祭) 2016
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/オハキツキ 2106
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/還御(還幸祭) 2015
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/お渡り(神幸祭) 2015
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/オハキツキ・お渡り(神幸祭) 2014



櫟原 還御1
「道造り役」を先頭に神社に向かう還御の行列=撮影:2016/10/8 
奈良・生駒郡平群町櫟原


櫟原 還御2
村人は通らない神様だけの道を粛々と進むトーヤら(撮影には神経を使います)=撮影:2016/10/8 奈良・生駒郡平群町櫟原


櫟原 還御3
神様のお還りを出迎える宮司=撮影:2016/10/8 奈良・生駒郡平群町櫟原


櫟原 還御4
餅や栗、柿などを容れた桶を担いで神社に上る男衆。道中とは違って境内にはお渡りの到着を待つ氏子や子供たちが多数参集=撮影:2016/10/8 奈良・生駒郡平群町櫟原


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  1. 2016/10/10(月) 22:28:11|
  2. 10月の祭り/行事
  3. | コメント:0

櫟原・生駒山口神社 秋祭り/オタビ(神幸祭) 2016

神様が通る道を造りながら オハキにお渡り

生駒山口神社の秋祭りの1週間前、祭神・スサノオノミコトとクシイナダヒメノミコトの御霊をオハキ(仮屋、祭壇)に遷すオタビ(お渡り)が行われます。(一連の行事は「櫟原(いちはら)のオハキツキ」として県の無形民俗文化財に指定)

前日の早朝、トーヤ(トヤ、当屋/頭屋)とケイヨウニン(敬用人、補佐役)は神社前を流れる櫟原(いちはら)川の御幣岩の下で水垢離の禊をすませています。垢離取りは誰にも見られてはならず、ひそかに行うといいます。

当日、拝殿下で氏子たちが立礼するなか、宮司が警蹕(けいひつ)とともに神霊を榊の御幣に遷します。拝殿でトーヤとケイヨウニンは榊御幣を宮司から恭しく受け取ると、いよいよお渡りです。

お渡り行列は鍬を持った「道造り役」を先頭に、トーヤ、ケイヨウニン、御神燈などを掲げたマジリコ(役員、助っ人)が後に続き、オハキのあるトーヤ宅まで1㎞弱の坂道を上ります。お渡り一行は汗びっしょりとなる暑い日でした。

トーヤ宅に着くと神霊の宿った榊をオハキの上の竹筒にさし込み、神饌を献じて一同拝礼。後日の夜、宮司によって男神・女神の御霊は改めて御幣にそれぞれ遷され、還幸の日までトーヤの床の間に安置されて祀られるといいます。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/オハキツキ 2016
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/お渡り(還幸祭) 2015
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/お渡り(神幸祭) 2015
 ・櫟原・生駒山口神社 秋祭り/オハキツキ・お渡り(神幸祭) 2014



櫟原 オハキへ渡御1
宮司に見送られ、神霊を遷した榊を奉持し拝殿を発つトーヤと
ケイヨウニン=撮影:2016/10/2 奈良・生駒郡平群町櫟原


櫟原 オハキへ渡御2
オハキが築かれたトーヤ宅に坂道を参向するお渡り一行。背後の小山は生駒山口神社が建つ鎮守の森=撮影:2016/10/2 奈良・生駒郡平群町櫟原


櫟原 オハキへ渡御3
神様の通る道を鍬で造りながら参進=撮影:2016/10/2 奈良・生駒郡平群町櫟原


櫟原 オハキへ渡御4
神が宿る榊をオハキの上部に立て献饌し拝礼するトーヤ=撮影:2016/10/2 奈良・生駒郡平群町櫟原


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  1. 2016/10/05(水) 15:32:57|
  2. 10月の祭り/行事
  3. | コメント:0
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・奈良県北部在住の男性です。1300年超の歴史に根ざす奈良大和の人々の信仰に支えられてきた神事・仏事や祭り、伝統行事、民俗を主に紹介しています。
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次のHPも運営しています。
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