柳生下町(しもちょう)では夏の土用の3日目、「土用三郎(どようさぶろう)」と呼ぶ日に
宮座十人衆が水
垢離(こり)を行います。秋祭り(→
こちら)に入る前の精進潔斎ですが、一風変わった水
垢離です。
下町公民館(中宮寺)に集まった
宮座衆は4人。廊下の外に祭壇を設け、稲ワラで腰縄を編み、川辺の祭場に注連縄を張るなど、手分けして準備を行います。
白装束に身を包んだ
宮座衆は、祭壇前で土用
垢離の祭典を行ったあと、町内を流れる今川(柳生川)に赴き、1日3回(午前中に2回、午後から1回)の
禊ぎを行います。
禊ぎの所作は独特で、竹の柄杓で川水を「ひぃー、ふー、みー、…」と八つ数えながらご神体の神籬(ひもろぎ)である磐座(いわくら)に掛けます。これを12回繰り返します。座衆の身体には掛けないのが面白いところ。
1回目の水
垢離を終えると神饌、竹柄杓、灯籠などはそのままに残し、公民館に引き上げ、2回目まで休憩・談笑の時間をとります。昼食をはさんで3回目の水かけ
垢離のあと、昇神の儀を終え、祭壇を解き、腰縄を切って川に流します。
なお今年は都合で7月20日(土用入りの日=丑の日)に変更となりました。川上に位置する柳生町(八坂神社)の十人衆は例年土用入りに行うので、いつもと異なり両町が同じ日(ほぼ同じ時刻)の斎行となりました。熱中症注意情報の出ている猛暑の一日でした。
関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
・
柳生八坂神社 秋の例祭・宮座行事 2017

薬師如来像を祀る月吹山中宮寺本堂の前。禰宜役が注連縄を結びに今川の祭場に行っている間に、腰に締める腰縄を編む座衆=撮影 2018/7/20 奈良市柳生下町

公民館の廊下外に設けた祭壇。祓いの榊、人参、さば缶、魚、洗米、塩、お神酒、竹製の柄杓と数珠(禰宜が首にかける)などが供えられている。さば缶を残して川辺の祭場に持っていく=撮影 2018/7/20 奈良市柳生下町

禰宜(村神主)により修祓、献饌、祝詞を奏上、一同拝礼。全般的に神事でありながら、数珠を首にかけたり手に持ったりと、神仏混淆である=撮影 2018/7/20 奈良市柳生下町

榊、輪注連縄(磐座に掛ける)を手にした禰宜を先頭に、竹柄杓や数珠を持って川辺に向かう一行。木製の灯籠(火は灯さない)は「夜にお籠りをしていたころの名残り」だと長老がいう。一面にだけ小さな灯り窓がある陰灯(かげとう)である。浄暗中の神事に明かりを隠して、わずかに照らすためのもの。「大正十四年十月二十八日正遷宮執行」の墨書が残る=撮影 2018/7/20 奈良市柳生下町

川中に入り禰宜が降神の祝詞をあげた後、土用垢離の祭文を奏上する。その間、他の衆は「ひぃー、ふー、みー、よー、いつ、むー、なな、やー」と称えて川水をご神体の磐座にかける。これを繰り返すこと12回。川石を並べた祭壇には洗米、塩、お神酒、人参、魚を献供。2回目以降は祝詞はなく、禰宜も一緒に水を掛ける=撮影 2018/7/20 奈良市柳生下町

1回目の水垢離を終了。石の祭壇に柄杓を置く
宮座衆=撮影 2017/10/9 奈良市柳生町
スポンサーサイト
テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真
- 2018/07/22(日) 17:08:26|
- 7月の祭り/行事
-
-
| コメント:0
夏越(なごし)の大祓は、元日からの半年間に知らず知らずのうちに身に付いた穢れ(苦しみ・悲しみ)などを人形(ひとがた)に移し、切り幣(ぬさ)を身に振りかけ、茅の輪をくぐって心身を祓い清める儀式。1年の前半分が終わる6月晦日に多くの神社で行われる夏の風物詩。夏以降の無病息災を祈ります。
関連記事(当管理者の関連写真記事へリンク)
・
往馬大社 夏越大祓 2016 ・
石上神宮 夏越の大祓式 2015 ・
法華寺 蓮華会式 2015 ・
綱越神社 おんぱら祭 2014 ・
村屋神社 夏越の大祓式 2014 ・
東大寺 解除会 2013 ・
春日大社 夏越大祓式 2012 ・
大和神社 夏越の大祓式 2010

「大祓の詞 奏上の儀」。ご奉仕の楽心社中の皆さんは茅の輪の前、後ろには一般参拝者が参列=撮影 2018/6/30 奈良・生駒郡三郷町立野南

木綿の布を左右に8回切り裂く「裂布の儀」=撮影 2018/6/30 奈良・生駒郡三郷町立野南

上田安徳宮司を先頭に、チガヤで編んだ茅の輪を左、右、左回りで8の字に3回くぐる「茅の輪くぐりの儀」(2回目の右回りの場面)=撮影 2018/6/30 奈良・生駒郡三郷町立野南

祭典開始前の茅の輪=撮影 2018/6/30 奈良・生駒郡三郷町立野南
テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真
- 2018/07/01(日) 19:00:41|
- 6月の祭り/行事
-
-
| コメント:0