磯城郡川西町の吐田(はんだ)地区、青田の広がる農道の辻にぽつんと建つ小さな地蔵堂。中には油で全身が黒光りするお地蔵さんが祀られています。石像には大永3年(1523年)の銘があります。
地元で「200年ほど前、泥田に埋もれていたお地蔵さんを掘り出して祀った」とか、「お地蔵さんに油を掛けておくと、水害が起きても水をはじく」とか、「油を掛けてお祈りすると、ご利益でクサ(できもの)が治る」などの伝承がいまに残ります。
お地蔵さんに油を掛ける習わしが、いつの間にか広まったようです。地元では「
油掛地蔵」と呼んで大切に守り、毎年、
地蔵盆に油掛け供養を行っています。例年7月23日なのですが、今年は大雨のため28日に延期して斎行されました。
関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
・
川西町吐田 油掛地蔵盆 2014 ・
川西町吐田 油掛地蔵 2016

吹き抜けの小堂に祀られた油掛地蔵尊――舟型光背を持ち、像高61cm(台座含む)の石像→
こちら=撮影 2019/7/28 奈良・磯城郡川西町吐田

暮れなずむ青田の中に建つ地蔵堂=撮影 2019/7/28 奈良・磯城郡川西町吐田

法要中の地蔵堂を遠巻きにして祈りを捧げる老若男女=撮影 2019/7/28 奈良・磯城郡川西町吐田

供養法要中(融通念仏宗・念仏寺住職のお勤め)=撮影 2019/7/28 奈良・磯城郡川西町吐田
スポンサーサイト
テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真
- 2019/07/29(月) 18:24:13|
- 7月の祭り/行事
-
-
| コメント:0
古くから南都の地蔵信仰の霊場として知られた
福智院は、「地蔵大仏」とも呼ばれる、大きな地蔵菩薩坐像(重文、像高 2.7m)を本尊とする真言律宗の古刹です。
福智院では毎年7月23日に
地蔵盆が営まれます。護摩供養と法要の後、子供たちは自身の成長や無病息災を祈願して数珠繰りを行い、わらべ歌を歌ったり縄跳びなどして例年楽しく過ごします。
しかし今年は残念ながら大雨に見舞われてしまいましたので、撮影は中途半端でしたが、法要の途中でお寺を後にしました。
関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
・
福智院 地蔵盆 2015 ・
福智院 地蔵盆 2012 ・
福智院 地蔵盆 2010 ・
花芝商店街 地蔵盆 2019 ・
元興寺 地蔵会万燈供養 2016 ・
吉田寺 地蔵盆 2015 ・
西光院 地蔵盆 2015 ・
川西町吐田 油掛地蔵盆 2014 ・
徳融寺 地蔵会 2013 ・
帯解寺 子安地蔵会 2013 ・
十輪院 地蔵盆 2012 ・
伝香寺 地蔵会(着せ替え法要) 2012 ・
東大寺知足院 地蔵会 2011

護摩供養=撮影 2019/7/23 奈良市福智院町

僧侶上堂。少し前から雨が降り出し、この後どしゃ降りに=撮影 2019/7/23 奈良市福智院町

「地蔵大仏」の提灯が揚げられら本堂で地蔵盆法要=撮影 2019/7/23 奈良市福智院町
テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真
- 2019/07/24(水) 17:55:04|
- 7月の祭り/行事
-
-
| コメント:0
地蔵盆は特に関西地方を中心に盛んに行われていて、奈良まち界隈には道祖神信仰と結びついた多くの「辻地蔵」――「路傍や街角のお地蔵さん」――が祀られています。
お地蔵さんは子供たちの守護神として信仰されてきましたから、地蔵盆の主役はやはり子供たち。寺院に祀られている地蔵さんではなく、ここ花芝商店街にたたずむ普段は目立たない十福地蔵尊にも、毎年7月23日の夕方は大きな賑わいが見られます。商店街に子供たちが喜ぶゲームなどの催しものが盛りだくさん用意されます。
ところが、今年は奈良まち界隈の地蔵盆が佳境に入る午後5時ころ、奈良市はあいにくの大雨に見舞われました。どこもかしこも地蔵盆行事は予定変更を余儀なくされたようでした。というわけで、残念ながら早々と退散するはめになりました。
関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
・
福智院 地蔵盆 2019 ・
吉田寺 地蔵盆 2015 ・
西光院 地蔵盆 2015 ・
川西町吐田 油掛地蔵盆 2014 ・
徳融寺 地蔵会 2013 ・
十輪院 地蔵盆 2012 ・
伝香寺 地蔵会(着せ替え法要) 2012

先ずはお地蔵さんに手を合わせて幸せを祈ります=撮影 2019/7/23
奈良市花芝町

子供たちに楽しいことがいっぱいの地蔵盆=撮影 2019/7/23 奈良市花芝町
テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真
- 2019/07/24(水) 12:48:25|
- 7月の祭り/行事
-
-
| コメント:0
ススキ提灯というのは、高張り提灯を上から2・4・4個ずつ連ねて3段に組み上げ、竿の先端に御幣をつけたた差し物。この形が、わら束を積み上げた「稲積(にお)」(しばしば「ススキ/スズキ」と呼ぶ)に似ているところから、
ススキ提灯の名がついたとされます。
ススキ提灯(十振り提灯)は御所市の27の神社に分布しているとのことですが、御所市より北に位置する葛城市などでは「
ススキ提灯」とは言わず、「十二振り提灯」と呼び慣わしています。
ススキ提灯の呼び名について、いささか混同・混乱があるようです。
鴨都波(かもつば)神社で行われる神前への
ススキ提灯の献灯は豊作祈願を目的に江戸時代中期に始まったようです。今では動きの激しいパーフォーマンス(演舞)を伴う大規模な民俗行事として名を馳せ、「御所の献灯行事」の名で県の
無形民俗文化財に指定されています。
今年は時間の都合で、奉納の最後を飾る若衆会の力強い演舞のみをかろうじて拝見できました。
関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
・
鴨都波神社 ススキ提灯献灯行事 2016 ・
鴨都波神社 ススキ提灯献灯行事 2014 ・
鴨都波神社 ススキ提灯献灯行事 2013

「トントコトントン トントコトントン」と太鼓の小刻みで軽快なリズムに乗ってススキ提灯の奉納パーフォーマンスが繰り広げられます=撮影 2019/07/16 奈良・御所市宮前町

「おでこ乗せ」=撮影 2019/07/16 奈良・御所市宮前町

「後ろ投げ」の大技=撮影 2019/07/16 奈良・御所市宮前町

「大車輪」=撮影 2019/07/16 奈良・御所市宮前町
テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真
- 2019/07/18(木) 20:54:00|
- 7月の祭り/行事
-
-
| コメント:0
「太神宮」または「大神宮」 と深く刻まれた大きな石灯籠――。古い街並みを歩くと、道端や辻、それに神社の境内などでよく見かけます。太神宮/大神宮とは天照大神を祀る伊勢の皇大神宮のことですが、江戸時代に流行った「伊勢参り」「お蔭参り」の道しるべ、常夜灯として建立された石灯籠が今に残っているのですね。
「太神宮さんのお祭り」が葛城市疋田にあると聞き、取材させていただきました。疋田には北と南に太神宮の石灯籠があります。それぞれが陰陽道の表鬼門と裏鬼門にあたるといいます。
暗くなりかけた午後7時20分ころ、まずは正光寺前の辻(裏鬼門)に立つ太神宮石灯籠前。南方の十二振り提灯を立て、石灯籠の下に設けた小さな祭壇の前で“お祭り”が始まります。調田坐一事尼古(つくだにいます ひとことねこ)神社の宮司・高津和司氏により、修祓・献饌・祝詞奏上などの神事が営まれます。
その後、北方の辻(表鬼門)に立つ太神宮さんの前で同様の神事が行われます。太神宮さんといい、十二振り提灯といい、長く伝承されてきた風習――地区の無事平穏を祈願――が受け継がれています。このように見てきますと、「太神宮石灯籠」は遥拝所に相当するのでしょう、太神宮の石灯籠をとおして天照大神(皇大神宮)を遥拝し祈願する形式と察せられます。
関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
・
葛城・調田坐一事尼古神社 夏祭り・十二振り提灯献灯 2019

南方(裏鬼門)の太神宮石灯籠の前で神事。「灯籠は新しいですね」と問うたところ、「もとの太神宮灯籠には文政3年(1820年)の銘が刻まれていたが、傷みが激しいので1年ほど前に新造した」と役員さんの解説=撮影 2019/7/16 奈良・葛城市疋田

こうして人々は200年もの間祈りを捧げてきた=撮影 2019/7/16 奈良・葛城市疋田

北方(表鬼門)の辻に立つ太神宮灯籠の前で神事=撮影 2019/7/16 奈良・葛城市疋田

代表者の拝礼。春日型の太神宮灯籠は榎の大木の根元にあります=撮影 2019/7/16 奈良・葛城市疋田
テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真
- 2019/07/17(水) 20:11:16|
- 7月の祭り/行事
-
-
| コメント:0