奈良大和路~悠~遊~

奈良大和路の祭や伝統行事、四季折々の風景を 写真で綴るフォトブログです。大和は国のまほろば、神や仏に近しく 奥は深くて おもしろい!

高田 亥の子暴れ祭り 2010

暴れるほど神様が喜ぶ 亥の子の祭り

桜井から談山神社への道筋、聖林寺の近くに位置する高田地区。南側の小高い山(見かけは20mほど、標高約136m)に山口神社があります。社はなく、ただ神木をご神体とする原始的な形態の神社です。吉野より持ち帰った小石を積み上げてできた小さな円丘があるのみ。

春になると山の神が里に降臨して田の神となって農作を見守り、秋になると再び山に帰って山の神となります。稲の刈り上げをはじめ一年の農作業が終わった頃、田の神に収穫を感謝し、あわせて子供たちの健やかな成長を祈り、神様を山に送る農耕儀礼亥の子祭りなのです。

高田の亥の子祭りの特徴は、暴れれば暴れるほど神様は喜ぶということで、暴れ放題が許されます。小学生の子供たちにとって思う存分に暴れることのできる楽しいお祭りです。亥の子祭りは全国で行われますが、暴れるところはめずらしく、奈良県の無形民俗文化財に指定されています。

子供たちが主役の「お仮屋暴れ」「膳暴れ」「火消し暴れ」と続き、このあと夜もふけてから頭屋、お祭りの世話役により暗闇のなか無言で分霊を山口神社に還す「神送り」が行われ、来年の頭屋へと役が引継ぎが行われてお祭りは終わります。

昨年の「亥の子暴れ祭り(2009年)」の説明・写真も併せてご参照頂ければ幸いです。

関連記事(当管理者の写真記事へのリンク)
 ・高田 亥の子暴れ祭り 2015
 ・高田 亥の子暴れ祭り 2009



亥の子暴れ 1
お仮屋  約2m四方、高さ1.5m。青竹で作ったお仮屋。その上に山口神社の神霊(分霊)が安置され、お神酒、ハチマキ飯(円錐形に固めた赤飯)、野菜、果物、木で作った小さな馬鍬など供えられています。お仮屋の周りに吊り下げられているのは、田の神に捧げた唐すき、鎌、のこぎり、つち、なた、包丁など、木や竹で作った農具のミニチュア。それらに紙に包んだお賽銭(お仮屋祝儀)が貼り付けられています=撮影:2010/12/5 奈良・桜井市高田


亥の子暴れ 2
お仮屋暴れ  午後2時。秋の収穫を感謝し子供たちの健やかな成長を祈願して頭屋さんが挨拶。子供たちとともに参加者全員が神霊に拝礼。そのあと「始め!」の声が掛かるや、子供たちは神様に捧げた“農具”を奪い合い引きちぎってお仮屋をあっという間に壊してしまいます=撮影:2010/12/5 奈良・桜井市高田


亥の子暴れ 3
戦利品抱え込む少年=撮影:2010/12/5 奈良・桜井市高田


亥の子暴れ 4
膳暴れの準備  午後3時。ハチマキ飯に箸(もとはねむの木で作った)を3本立てて、膳の横に置き、「汁入れよ」と味噌汁を催促。お膳にはハッタイ粉、かぶら、さといも、豆、ひじきを入れた小皿と箸、空のお椀が載せられています。あとは豆腐の味噌汁がお椀に注がれるのを待ちます=撮影:2010/12/5 奈良・桜井市高田
  

亥の子暴れ 5
膳暴れ  「膳暴れ、始め」を合図に、子供たちはハチマキ飯を脇にのけ、たちまち膳を蹴るわ、踏みつけるわの大暴れ。味噌汁が飛び散り、箸も小皿も宙を飛び、膳が壊れる音、小皿が割れる音、音・・・。ハチマキ飯は各自家に持ち帰って食べます。左端の子は急いでハチマキ飯をよけています=撮影:2010/12/5 奈良・桜井市高田


亥の子暴れ 6
火消し暴れ  午後6時。神棚からお供え物が下ろされ、神霊の前には火が灯された灯明1本。室内灯が消された暗闇の中、灯明の火をめがけて子供たちは藁束を投げつけ火を消します。「火ぃつけよ」と催促してはまた消す。大人たちは「火ぃけやせ(消せ)」と子供たちをけしかけます。この繰り返しが約1時間。近年では火消しに限って女児も参加が許されています=撮影:2010/12/5 奈良・桜井市高田


亥の子暴れ 7
山口神社  社殿はありません。吉野から持ち帰ったという小石が積まれただけの原始的な形態の神社です=撮影:2009/12/6 奈良・桜井市高田

スポンサーサイト

テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真

  1. 2010/12/06(月) 17:41:08|
  2. 12月の祭り/行事
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<牽牛子塚古墳と越塚御門古墳 | ホーム | 東大寺界隈 名残の秋 2010>>

コメント

Re: 暴れ亥の子

沙都さん、コメントをありがとうございました。
先日の高田の亥の子暴れ祭りで久しぶりにお目にかかれましたね。

ご自身のブログのURLを書いてくださり嬉しく思います。さっそく見せていただきました。丁寧な説明文が添えられていて、とても分かりやすいですね。
私は味噌汁をかけられないように正面を避け右隅にいました。どうにか被害を受けずに撮影できました。一瞬のことでしたね。

沙都さんのブログの他のページもあとでゆっくり拝見させて戴きます。
年内はお目に掛かることは無いかもしれません。あるいは若宮おん祭りで出会うかもしれませんが、良いお年を迎えてください。

> こんばんは。暴れ亥の子、お疲れさま。
> 膳暴れの汁や食器が飛び散る場面が鮮明ですね。
> こちらは、
> 5人目のみそ汁を入れ終えて直後の始めの合図だったので、
> 入れ役の人が横切った為、あの場面は撮れませんでした。
>
> それにしても膳暴れ、一瞬、身の危険を感じました。
> 真ん中にいなかって良かったと思いました。
  1. 2010/12/09(木) 21:55:52 |
  2. URL |
  3. ぴんぼけジュン #-
  4. [ 編集 ]

暴れ亥の子

こんばんは。暴れ亥の子、お疲れさま。
膳暴れの汁や食器が飛び散る場面が鮮明ですね。
こちらは、
5人目のみそ汁を入れ終えて直後の始めの合図だったので、
入れ役の人が横切った為、あの場面は撮れませんでした。

それにしても膳暴れ、一瞬、身の危険を感じました。
真ん中にいなかって良かったと思いました。
  1. 2010/12/09(木) 21:18:23 |
  2. URL |
  3. 沙都 #nxK6xcDI
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://pinbokejun.blog93.fc2.com/tb.php/154-9f801ec3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ブログ内の検索

フォントサイズ変更ボタン

文字を大きくする 文字を規定のサイズに戻す 文字を小さくする

L/Sボタンを押すたびに文字サイズが大きく/小さくなり、設定は30日間保存されます。Mボタンで元のサイズに戻せます。

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

プロフィール

Author:なわじゅん
・奈良県北部在住の男性です。1300年の歴史に根ざす奈良大和の人々の信仰に支えられてきた神事・仏事や祭り、伝統行事、民俗を主に紹介しています。
・写真をご利用希望の方はメールフォーム(下段)からお問い合わせください。

次のHPも運営しています。
「野に咲く花たち」――身近に咲く花、高山に咲く花の写真、野草のウェブ図鑑

Copyright © 2013 奈良大和路~悠~遊~ All rights reserved.

最新記事 (10件を表示)

これより古い記事は「月別アーカイブ」や「カテゴリ」からご覧ください。「ブログ内検索」もご利用いただけます。

カテゴリ

1月の祭り/行事 (63)
2月の祭り/行事 (90)
3月の祭り/行事 (76)
4月の祭り/行事 (61)
5月の祭り/行事 (65)
6月の祭り/行事 (56)
7月の祭り/行事 (64)
8月の祭り/行事 (70)
9月の祭り/行事 (40)
10月の祭り/行事 (83)
11月の祭り/行事 (23)
12月の祭り/行事 (82)
新年のご挨拶 (7)
暑中見舞い (3)
季節の風景・春 (69)
季節の風景・初夏 (5)
季節の風景・夏 (4)
季節の風景・秋 (61)
季節の風景・冬 (11)
朝焼け・夕焼け (8)
平城遷都1300年祭 (7)
花便り (96)
大和の古墳 (1)
大和路の石仏・石造物 (6)
慰霊と復興への祈り (4)
月と星 (2)
大和の古社寺 (6)
写真展 (9)
未分類 (1)
花めぐり (1)

月別アーカイブ

最新コメント

リンク

このブログをリンクに追加する

メールフォーム

メールの送信はこちらからどうぞ。名前、アドレス、本文などは公開されません。

お名前:
メール・アドレス:
件名:
本文:

QRコード

QRコード

RSSリンクの表示

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ