奈良大和路~悠~遊~

奈良大和路の祭や伝統行事、四季折々の風景を 写真で綴るフォトブログです。大和は国のまほろば、神や仏に近しく 奥は深くて おもしろい!

室生龍穴神社 お渡りと獅子舞 2011

室生龍穴神社 お渡り獅子舞 2011
  原初的な形が残されている室生の獅子舞

室生寺から室生川を東に1kmほど溯った地にある室生龍穴神社。雨雪を司る神、雨乞いの神として知られる高オカミ(雨冠に龍の字)神を祭神とする古社です。

当神社と室生寺とはいわゆる「鎮守社と神宮寺」の関係にあって、明治の神仏分離令以前は神仏一体の関係にありました。神仏混淆の姿は現在も例祭に色濃く残されています。

室生龍穴神社の秋の例祭では、室生寺の太鼓橋から室生寺境内の天神社と室生龍穴神社にお渡りが行われます。

先ず太鼓橋上でお渡り一行の準備が整った頃、氏子総代[「おく(奥)」という呼び名がある]が室生寺本坊に住職を迎えに出ます。「七度半の使い」と云って住職の出御を促すのだそうです。

住職が護摩堂門前の席に着座すると、御幣を先頭にして天神社へのお渡りが始まります。行列には雌雄の獅子、「すこ」と呼ばれる神饌や「日の丸御幣」(当屋御幣)を捧持した当家(5垣内のうち3地区の奉仕)、さらに神職らが加わります。

お渡りの一行は住職に一礼して参進し天神社に至ります。社前で龍穴神社の神職による祭事が行われ、雌雄二頭による獅子舞が奉納されます。

興味深いことに、その間に室生寺住職と当屋との間で「三々九度の杯」としてお神酒が酌み交わされます。古いしきたりが今に伝承されている貴重な祭事です。

その後一行は天神社から再び住職が見守る前を通過して太鼓橋に戻り、あらためて龍穴神社までお渡しを行いますが、ここからは子供御輿が行列に加わり、賑やかに室生川沿いの道を練って神社に向かいます。

龍穴神社に到着すると、全員がお祓いを受けたあと氏子役員たちは拝殿で神事に臨みます。神事が斎行されている間に、境内の鳥居前の庭で獅子神楽が繰り広げられます。3年前から子供による獅子舞も行われるようになったそうで、大人顔負けの華麗な獅子舞が披露・奉納されました。

室生の獅子舞は原初的な舞姿が残されていると云われ、氏子による神楽保存会によって維持・継承が行われています。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・室生龍穴神社 お渡りと獅子舞 2012



龍穴神社 お渡り1
お渡りを待つ室生寺太鼓橋の情景。中央に置かれているのは、「すこ」と呼ばれる栗、柿、蜜柑、里芋、餅などを串に刺し芋茎(ずいき)に飾り付けた特殊な神饌。「すこ」には「須供」の漢字が当てられています(氏子総代さんによる)。左は祭礼に奉仕する当人(当屋の長子)、右は一升瓶と紙コップを手にして氏子や参拝者にお神酒を振る舞う役員さん。奥には3本の「日の丸御幣」。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 お渡り2
お神酒の振る舞い人さんは、絵馬と豊かに実った稲穂
括りつけた榊を肩にしています。祈雨には黒馬を、止雨
には白馬または赤馬を献じていたのが、絵馬に代わった
ことに因むのでしょうし、豊穣を感謝する意味での稲穂
をぶら下げるところなど、たいへん興味が持たれるとこ
ろです。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 お渡り3
三々九度の儀式を行う室生寺の住職。お神酒を酌み交わす相手の当屋(または当人)は離れた天神社に居ますから、杓をする二人の奉仕者は4、5m離れては戻って、2度目、3度目のお酌を行います。実際に行ったり来たりは不都合なので、形式的にこのようにして済ませるのだとは氏子総代さんの話。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 お渡り4
天神社で神事と獅子舞の奉納を終えて戻り、住職の前を通るお渡りの一行。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 お渡り5
お渡りを先導するのは、氏子総代(「」と呼ぶ)と龍穴神社の御幣を持つ人(「宮門(くもん)」と呼ぶ)。後に獅子、神饌「すこ」、「日の丸御幣」、神職などが続きます。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 お渡り6
行列のしんがりを勤める子供御輿。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 お渡り7
迎えの太鼓の音が鳴り響く中、室生川の畔から真っ直ぐ
伸びる参道を通って室生龍穴神社に入るお渡りの一行。
撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 獅子舞1
杉の大木に囲まれ森厳とした雰囲気が漂う室生龍穴神社境内での子供獅子舞。子供獅子舞では胴体役(ウシロ)は体を出したままで獅子の頭(マエ)の動きに合わせます。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 獅子舞2
獅子方(マエ)はもちろん、笛、太鼓の囃子方も子供達が勤めます。こうして伝統芸能が継承されていく頼もしい情景。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 獅子舞3
こちらは青年が演じる、御幣と鈴を持っての生きいきとした舞い姿。赤い髪の毛の雌獅子です。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 獅子舞4
剣を持って躍動する獅子。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


龍穴神社 獅子舞5
胴をくねらせ、のたうつ獅子。撮影:2011/10/10 奈良・宇陀市室生区室生


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テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真

  1. 2011/10/19(水) 22:11:38|
  2. 10月の祭り/行事
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・奈良県北部在住の男性です。1300年の歴史に根ざす奈良大和の人々の信仰に支えられてきた神事・仏事や祭り、伝統行事、民俗を主に紹介しています。
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