奈良大和路~悠~遊~

奈良大和路の祭や伝統行事、四季折々の風景を 写真で綴るフォトブログです。大和は国のまほろば、神や仏に近しく 奥は深くて おもしろい!

結崎・糸井神社 秋祭り/本祭 当屋行事 2011

古風を残す当屋の奉幣神事
  
糸井神社は大和平野のほぼ真ん中、結崎に鎮座する延喜式内の古社。創建年代は不詳ですが、祭神として豊鋤入姫命のほか、猿田彦命、綾羽明神、呉羽明神を祀ります。

付近一帯の結崎郷は、祭神からも分かるように、中世に織物集団が栄えていた地域とみられ、鎮守であった結崎大明神が現在の糸井神社と伝わります。拝殿内には『おかげ踊り絵馬』や『太鼓踊り絵馬』(いずれも県指定文化財)が奉納されています。

当神社の秋祭りは毎年10月第4土曜日(宵宮)と第4日曜日(本祭)の両日に行われます。

本祭では結崎の5垣内(市場、中村、井戸、辻、出屋敷)から、それぞれの当屋(当家)が家族・親戚一同を伴って「竹馬」(写真5)と大きな御幣を先頭にして糸井神社お渡りします。

神社境内に全垣内が揃ったところでお祓いを受けた後、持参した御幣を1番当屋から5番当屋まで順に本殿に奉納します。その後、現当屋と前当屋を前にして巫女の舞。最後は終了の儀として次年度の新当屋の名前を宮司が発表。このような手順で祭典は斎行されます。

ところで、当屋が家を出発する際(本宮)、カマスを口にくわえ(その場で外す)、「竹馬」に2匹を括り、1匹を神前に供えます。「竹馬」にはお神酒の入った壷を提げ、全体を長さ2~3mの柳の木に結わえ、稲穂付きの稲束を下げます(写真5を参照)。このお神酒壷のついた柳の木を担ぐ人を「ミキニナイ」(神酒担い)と呼び、お渡りの先頭に立ちます。

お渡り一行が神社の鳥居をくぐる際に、「この屋のトォ~、またまたトォ~。トォトォ、ワ~ィ」と声を上げます。この掛け声は各当屋が家を出るとき、そして辻々でも発声する決まりとのこと。また男性は全員が略礼服、女性の多くは和服、男子学生は学生服を着用と、威儀を正した装いでした。

このように細かな決まりごとが多くあり、1千年以上続いてきた(ある当屋さんの談)古風を残す格調高い伝統行事といえましょう。大和の祭礼の中でもとりわけ興味深いもののひとつと見受けました。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・結崎・糸井神社 秋祭り/宵宮祭 2016
 ・結崎・糸井神社 神楽祭 2015



糸井神社 当屋行事1
お祓いの後、御幣奉納のため拝殿に進む1番当屋(当家)の一行。先頭は竹馬を担ぐ「ミキニナイ」と「御幣持ち」。後に紺色の素襖(すおう)を着た「トモ(伴)」(昨年の当屋で現当屋の補佐・指導にあたる役)、純白の素襖の当屋、最後に「菰(こも)持ち」が続きます。これらの他に「弓張り提灯持ち」「草履持ち」などの役が居ます=撮影:2011/10/23 奈良・磯城郡川西町結崎


糸井神社 当屋行事2
当屋は、拝殿前に敷いた菰の上に座って御幣を奉納。
横では「トモ(伴)」がこれを補佐します=
撮影:2011/10/23 奈良・磯城郡川西町結崎


糸井神社 当屋行事3
当屋から受けとった御幣を神殿に向かって左右にゆさゆさと振り奉納(幣振り)する宮司=撮影:2011/10/23 奈良・磯城郡川西町結崎


糸井神社 当屋行事4
奉幣が終わった後、拝殿前で真剣を両手にして神楽を舞う「ソネッタン」と呼ばれる巫女。正座した当屋(前列向かって左から1番当屋~5番当屋)とその「トモ」(後列)は神妙に祈祷を受けます=撮影:2011/10/23 奈良・磯城郡川西町結崎


糸井神社 当屋行事5
お渡りで当屋が神社に持ち込んだ「竹馬」。写真で見るように4本足の棒を柳の木と共に稲藁で縛ったもの。4本足にはお神酒の入った壷(赤い紙で蓋)が吊り下げられ、その1本には藁束が括り付けられていますが、ここに白紙に包んだカマスを入れて神社に渡ります。神社に着き奉幣の際にカマスは抜き取ります。柳には稲穂つき稲藁が掛けられています。これを担ぐ人を「ミキニナイ(神酒担い)」と呼びます。柳の木に巻かれた白い布は担ぐ人の肩当=撮影:2011/10/23 奈良・磯城郡川西町結崎


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