奈良大和路~悠~遊~

奈良大和路の祭や伝統行事、四季折々の風景を 写真で綴るフォトブログです。大和は国のまほろば、神や仏に近しく 奥は深くて おもしろい!

大和神社 ちゃんちゃん祭り 2012

大和神社 ちゃんちゃん祭り 2012
  大和路に春を告げる神輿渡御の神幸祭

お祭りの中心は通称「ちゃんちゃん祭り」と呼ばれる大和神社の神幸祭。全体としては「宮入り」(3月23日)、「宵宮祭」(31日)、「お渡り(神幸祭)」(4月1日)、そして「後宴祭」(2日)と続き、延べ12日間にわたる大きなお祭りです。

お渡りの行列は前にも触れましたように、大和神社神輿と境内摂社・増御子神社の神輿を中心に仕立てられ、中山町にあるお旅所の大和若宮神社まで渡御します。大和神社の神(大国魂神)が母(伊怒媛)(父であるとの説も)の許に里帰りするのだ、という伝承が中山にあるそうです。

氏子地区は神社周辺の9ヵ町〔9ヵ大字(だいじ)=成願寺、兵庫、長柄、新泉(にいずみ)、岸田、佐保庄、三昧田(さんまいでん)、萱生(かよう)、中山〕からなります。各町のお祭りへの関わり方・役割にかなり複雑な様相が見られます。

たとえば中山町。お渡り行列に参加していながら、お旅所に到着すればお渡りを迎える立場になります。他町はすぐに宴会を始めますが、中山は歯定(はじょう)神社の拝殿に上がり、素麺(そうめん)を食べます。時間がないから食事を簡単にすませるのだと中山町の役員さんの談。

中山はそのあと各町の代表を呼び出しては献饌の品を受けとり若宮さんに供え、代わりにチマキとお神酒を授けるなど、休む間もなく祭事を取り仕切ります。

一方、成願寺は渡御に先立ち本社の神霊を神輿に遷し、そして神輿が還御すれば本殿に安置する役割を担います。いろいろの事象が絡み合っていて、ちゃんちゃん祭りを伝統民俗行事としてみた場合、たいへん興味がつきません。

少し長くなりますが、ここではお旅所での中山の役割と還御後の成願寺を中心とする展開を略記しようと思います。以前に上げたのとはなるべく異なった写真・説明としますが、併せて参照して戴ければ理解しやすいでしょう。

関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
 ・大和神社 ちゃんちゃん祭り 2013
 ・大和神社 ちゃんちゃん祭り 2011
 ・大和神社 ちゃんちゃん祭り 2010



ちゃんちゃん祭り2
三昧田の幼い頭人児(とうにんご)。頭屋・頭人児が各2人いる地区では兄頭屋と弟頭屋(地区によっては甲と乙、あるいは親と子と区別)と呼び、普通年長の頭人児の額に「大」、年少の方に「小」と朱書するそうです(頭人児のおばあちゃん)。なお、新泉は頭屋・頭人児が各1人、成願寺と中山は頭人1人に頭人児なし。他の6地区はそれぞれ2人とのこと=撮影:2012/4/1 奈良・天理市新泉町


ちゃんちゃん祭り1
頭屋の門前に置かれた「門祭り」あるいは「門飾り」と云われる神棚(成願寺)。竹に注連縄。クヌギの割木を藤蔓で束ねた台。その上にヤカタを置き神を祀り、竹へらをX字にして立てた垣をめぐらせています。ヤカタの前には浄水(屋内のオヤカタではお神酒)、洗米、塩を、そして海・山・里の幸としてイワシ、シメジ、リンゴが置かれています。また屋内の床の間には祭祀の対象となるオヤカタが祀られているとのことです(頭屋の奥さん)=撮影:2012/4/1 奈良・天理市成願寺町


ちゃんちゃん祭り11
参道の露店を廻って祝儀を受ける龍の口(兵庫)=撮影:2012/4/1 奈良・天理市新泉町


ちゃんちゃん祭り3
頭人児の前の置かれた風車(三昧田)。頭人児はお旅所で神の子として上座におさまり供応を受けます。前には鏡餅が供えられ、半切にした丸大根を台にして大きな一対の風車が立てられます。風車を置く意味を知る人に出会いませんが、神を迎えたしるしとの説があるようです。三昧田のほかに佐保庄が風車を飾ります=撮影:2012/4/1 奈良・天理市中山町


ちゃんちゃん祭り4
神輿に供えられた中山町のチマキと青磁の壷入りのお神酒。青磁の壷は中山に伝わる大切な宝とのこと。次の項で触れるように、撤饌したチマキとお神酒を各地区に授与しますから、撤下すべき地区の回数(7回?)だけ、祭事が繰り返されることになります=撮影:2012/4/1 奈良・天理市中山町


ちゃんちゃん祭り5
各地区は中山の奉仕者を経由して献饌し(供物は各地区に定められた固有の品)、代わりにチマキとお神酒が下賜されます。ただし、岸田はなんら献供はせず、成願寺は献供も下賜もないようです=撮影:2012/4/1 奈良・天理市中山町


ちゃんちゃん祭り6
各地区の参拝が終わると、中山は拝殿前からチマキを撒き、氏子は競って拾います=撮影:2012/4/1 奈良・天理市中山町


ちゃんちゃん祭り7
還御後の拝殿前。兵庫と岸田には献饌の「牛の舌餅」(瓢箪型の平らな餅)が撤饌後に授与されます。これに先立って、神輿が本社に着御すると成願寺の奉仕者のみが昇段し、還御の祭祀が行われます。その後、全頭屋と頭人児が拝殿に昇り参拝。各地区はお渡りに持ち歩いた御幣を返還し、代わって幣紙と麻紐を受け取りま=撮影:2012/4/1 奈良・天理市新泉町


ちゃんちゃん祭り8
拝殿から皆が降殿したあとに行われる兵庫の「龍の口舞」。この舞いはお渡りの途中で「神輿座」(腰かけ石)に神輿が安座された際、それとお旅所に安座された神輿の廻りでも行われます=撮影:2012/4/1 奈良・天理市新泉町


ちゃんちゃん祭り9
豊作祈願と云われる新泉の「翁の舞」。面なしの翁役が菅笠で顔を隠しながら、右手に持った鋤(すき)で地面に縦線を引くこと2回、鋤を2回わずかに持ち上げたあと拝礼して終了=撮影:2012/4/1 奈良・天理市新泉町


ちゃんちゃん祭り10
夕暮れせまる本社拝殿前にて「オオミタラシノ神、ワーッ」と叫んで一斉に樫の葉を放り上げる降雨祈願(新泉)。これを最後にちゃんちゃん祭りはすべてが滞りなく終了=撮影:2012/4/1 奈良・天理市新泉町


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・奈良県北部在住の男性です。1300年の歴史に根ざす奈良大和の人々の信仰に支えられてきた神事・仏事や祭り、伝統行事、民俗を主に紹介しています。
・写真をご利用希望の方はメールフォーム(下段)からお問い合わせください。

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