奈良大和路~悠~遊~

奈良大和路の祭や伝統行事、四季折々の風景を 写真で綴るフォトブログです。大和は国のまほろば、神や仏に近しく 奥は深くて おもしろい!

田原本町 矢部の綱掛 2012

田原本町 矢部の綱掛 2012

近鉄笠縫駅の北西、飛鳥川に架かる農振橋の西に広がった矢部地区。5月5日の「子供の日」に綱掛が行われます。同町内の今里で行われる「巻き」と同様、野神行事のひとつ。江戸時代から続いているらしいです(田原本観光協会の説明板)。

元は成人男子が行う行事であったそうですが、今ではご婦人や子供会の参加を得て運営されています。地区はおよそ100戸からなり10組で構成。当番組の当家(当屋、トヤ)らが前日に綱、牛の版画、鍬や鍬の模型を作ります。

当日の午前、当番組や自治会の役員、僧侶らが公民館に集まり会食。11時ころ長さ約7mの藁縄に藁束を垂らした綱――鍵・今里などと同じで(ジャ)を意味します――を担ぎ、伊勢音頭を流しながら地区を練ります。の頭に相当する箇所にはセンダン(栴檀)の小枝が飾り付けられています。

練り歩く途中で、過去1年の間に慶事のあった家の人、次期役員などを綱で巻いて祝意を表します。かれこれ40分ほど巡行したでしょうか、最後は地区南寄りの「ツナカケ」と呼ぶ地に至り、2本のヨノミの木に綱を掛け渡します。

ヨノミの木は通常エノキとされ、大和地方では神木として野神を祀る木とする所が多いようです。

綱掛は正午までに終えなければならない掟(言い伝え)があるとのことです(役員さん)が、その理由は分りません。僧侶が読経するなか、一同、豊作と除悪霊を祈願して焼香。このあと公民館に戻って牛の版木刷、鋤・鍬の模型が各戸に配られて行事は終わります。

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矢部 綱掛1
稲藁で作った綱の先端近くに栴檀の小枝が差し込まれ、すだれのように稲束が吊り下げられた綱。子供が曳けるように細い綱が何本も結ばれています。全体の長さは7~8m=撮影:2012/5/5 奈良・磯城郡田原本町矢部


矢部 綱掛2
子供の日、田園地帯の地区内を練り歩く一行。伊勢音頭(テープ)を流しながらであるところが、鍵や今里などと異なりユニーク。伊勢音頭は江戸時代に流行ったお伊勢参りの名残でしょう。少し離れて婦人達が同行=撮影:2012/5/5 奈良・磯城郡田原本町矢部


矢部 綱掛3
慶事のあったお宅のご主人(中央の白シャツ姿)を綱で巻いて(取り囲んで)お祝い=撮影:2012/5/5 奈良・磯城郡田原本町矢部


矢部 綱掛4
地区の南寄りの十字路の一角(「ツナカケ」と呼ぶ)に植わるヨノミの木に綱を掛け渡す役員さん達。みなさんはこの木をニレ(楡)ともムクノキ(椋木)とも云ってました。ふたつは共にニレ科の落葉樹で、前者はニレ属、後者はムクノキ属。ちなみにエノキはニレ科エノキ属。3種の樹はよく似た近縁種なので混同・誤認があるかも知れません=撮影:2012/5/5 奈良・磯城郡田原本町矢部


矢部 綱掛5
御幣、牛の版木刷、鋤・鍬などの農具の模型、稲苗(本物)が入った籠(苗籠)。行列の後方でご婦人が持って廻ったもので、綱と共にヨノミの木に吊り下げられます(4番目の写真)。農具の模型には「昭和58年5月5日矢部綱掛」の墨書。後ほど次回のトヤ(当屋)さんが取り下ろし、来年まで保管するそうです。かつては毎年竹かごと共に新調していたが、今では順送りとのこと=撮影:2012/5/5 奈良・磯城郡田原本町矢部


矢部 綱掛6
各家庭に配る牛の版木刷と鋤・鍬のミニチュア。同じものが綱掛の籠に入れられています。予備としてに作ってあった余りを戴きました。版木刷の牛の頭には宝珠が乗っており、牛玉札の変形したものと考えられます=撮影:2012/5/5 奈良・磯城郡田原本町矢部


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