上品寺町 シャカシャカ祭り 2013
大和盆地の北と中部には、慈雨を祈り五穀豊穣を願う農耕儀礼が多く伝承されています。いずれも5月から6月の田植え前の時期に行われますが、行事内容が変化に富むところから一括して、「大和の
野神行事」として国の「記録作成等の措置を講ずべき
無形民俗文化財」(国・記録選択)に指定されています。
その一つが橿原市上品寺(じょうぼんじ、じょんぼじ)町に伝わり、毎年6月5日に行われる
シャカシャカ祭り。その名前はジャ(蛇)が笹原を動き回るときに発する音に由来との説がありますが、不詳です。
昨今はトーヤ(頭屋)が居ないため、自治会の世話役が数人で稲藁のジャ(蛇)を作り、小学生男子が授業を終えて学校から帰るのを待ちます。子供たち(今年は13名が参加)がジャを担いでお練りを始めるのは午後4時ころとなります。
かつてジャの材料は麦藁であり、「ジャを池に放り投げて浮かべて遊んだもんや」(役員さん)と云います。稲藁より麦藁の方が水によく浮くためですね。
お練りは集会所周辺(元は池があった)の一区画(距離にして400mほど)をひと回り。途中の2ヵ所で池に見立てた水桶にジャの頭を突っ込み、柄杓で水を飲ませます。最後はヨノミ(榎)にジャ頭を上にして巻きつけ、一同で記念撮影をして終了です。
今年もワカメ汁の振る舞いは無く、総じて一昨年(2011年)と変わりはありませんでした。ジャを担いで田圃のある地域を練りまわり、集会所でワカメ汁に興じた2010年と比べても、ずいぶん簡略化されているのが分かります。
関連記事(当管理者の関連写真記事へのリンク)
・
上品寺町 シャカシャカ祭り 2017 ・
上品寺町 シャカシャカ祭り 2011 ・
上品寺町 シャカシャカ祭り 2010 ・
田原本町(杵築神社) 今里の蛇巻き 2013 ・
田原本町(八坂神社) 鍵の蛇巻き 2013 ・
地黄町(人麿神社) すすつけ祭 2009

お練りの準備をする子供たち。可愛いジャの前にチマキが二つ。
ジャの“エサ”だと云い(役員さん)、米粉(1Kg)にぬるま湯を
注いで捏ねて長さ約20cm、直径約10cmに整え、中心に
竹串を挿したもの2本。これをハラン(葉蘭)の葉で包み、たこ紐
で縛って仕上げます 撮影:2013/6/5 奈良・橿原市上品寺町

チマキを携えた役員さんに先導され、嬉々としてジャを高々と担ぎ上げ町なかを練る子供たち 撮影:2013/6/5 奈良・橿原市上品寺町

池ならぬ水桶にジャの頭を突っ込み、交替で水を“飲ませ”ます 撮影:2013/6/5 奈良・橿原市上品寺町

最後に集会所横のヨノミ(榎)の大木の枝にジャ頭を固定し、
首筋に“エサ”2本を吊り下げ、胴体を幹に巻きつけます。
ヨノミの根元には米、塩、スルメとお酒を供え、ノガミさんに
無病息災、五穀豊穣を祈ります 撮影:2013/6/5 奈良・
橿原市上品寺町
スポンサーサイト
テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真
- 2013/06/12(水) 22:06:40|
- 6月の祭り/行事
-
-
| コメント:0