祭りが終わったことを寿ぎ、和やかに能狂言
若宮神が本殿に還られたあとの御仮殿を背に、おん祭に携わった人々を慰労するため、
能狂言が演じられます。今年の演目は金春流
能楽「東北(とうぼく)」と「鐘馗(しょうき)」、
狂言は「飛越(とびこえ)」の3つでした。
能「
東北」は、東国より都に上ってきた旅僧が梅の木に見入っていると里女が現れ、その梅の木の由緒を語り、僧に読経を頼み消え失せます。僧が読経をしていると和泉式部の霊が現れ、和歌の徳や仏法の有難さを讃えて舞を舞って姿を消すと、僧の夢は覚めるのでした。
狂言「
飛越」は、新発意(しんぼち=出家して間もない者)が檀家に誘われて茶の湯に行く途中、水かさの増した川を怖じ気づいて飛び越えられません。檀家に抱えられて飛びますが、しんぼちは川にどぼん! 濡れ鼠のようだとからかう檀家。くやしいしんぼちは、かつて小さな力士相手の相撲に負けた檀家を笑い返します。じゃ相撲で決着をつけようとなって、しんぼちは檀相撲に勝ち、高笑いしながら逃げかえりるというあらすじ。罵り合いが主題。
能「
鐘馗」は 唐の旅人が都へ向っている途中、怪しい里人に呼び止められます。話を聞くと、進士(しんじ)の試験に落第し自殺をはかった鍾馗という者。帝の恩召しで及第の取り扱いを受けたことに恩を感じ、後世のために悪鬼を滅ぼして国土を守護するので奏上してほしいと頼みます。旅人がこれを約束するや、鍾馗は虚空に昇って姿を消します。法華経を独誦して鍾馗の霊を弔っていると、鍾馗が真の姿で現れを国を乱す悪鬼を退治する勇猛な姿を見せ消え失せます。
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能楽「
東北」 旅僧が見入る梅の木の由緒を語り、僧に読経を頼み消え失せる里女(前シテ 金春欣三氏)=撮影:2015/12/18 奈良市春日野町

能楽「東北」 僧が読経をしていると和泉式部の霊(後シテ 同氏)が現れ、生前の仏縁の思い出を語り舞を舞います=撮影:2015/12/18 奈良市春日野町
狂言「飛越」 川を飛越えられず濡れ鼠となった悔しさを相撲で晴らす新発意(しんぼち、茂山茂氏)=撮影:2015/12/18 奈良市春日野町

能楽「鐘馗」 試験に落第して自殺したが、執着の心を改めて悪鬼を滅ぼして国土を守護すると誓いを立てる里人(前シテ 金春穂高氏)=撮影:2015/12/18 奈良市春日野町

能楽「鐘馗」 宝剣を持って現れ世を乱す悪鬼を退治する鐘馗の霊(後シテ 同氏)=撮影:2015/12/18 奈良市春日野町
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テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真
- 2015/12/24(木) 18:45:56|
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