奈良大和路~悠~遊~

奈良大和路の祭や伝統行事、四季折々の風景を 写真で綴るフォトブログです。大和は国のまほろば、神や仏に近しく 奥は深くて おもしろい!

倭文神社 秋祭り(蛇祭り) 2016

人見御供の風習を今に伝える秋祭り

倭文(しずり)神社の秋祭りは「蛇祭り」と呼ばれ、人の形に似せた神饌(ヒトミゴク)と共に大蛇に見立てた大松明を担いで町内を練り歩きます。最後尾には太鼓台が従う美しいお渡りです。途中、時風神社と蛇塚に参拝し神饌を供えます。

ところで蛇祭りの由来は――
かつて、暴れる大蛇を鎮めるため、幼児を捧げる風習があったこの村に、一人の僧(弘法大使とも理源大師とも)がやって来て大蛇を退治したという。以来、人身御供に代わって人形を擬した神饌を供えるようになったといいます。

「ヒトミゴク」と呼ばれる段飾り餅は、里芋を半割にし髭状の根を頭髪に見立て、「へのへのもへ(の)」で眉、目、鼻、口を書いて顔とし、衣服をサオモチで表して5段(10個)、4段(1個)または3段(1個)に竹串で差しそろえた人形(ひとがた)の特殊神饌。別に手として長めのサオモチが2本付けられています。

また、「ハナゴク(花御供)」と呼ばれる小型の神饌もあります。盃、菊花、柳箸、茄子(なす)、飯を粘土製の高杯などの上に載せ、色和紙を巻いて水引きを掛けた飾り物。

献饌の際、神様を喜ばせるめに乱暴に供えるのがよいとのことで、放り投げるような荒っぽい手渡しが行われます。

神事のあと拝殿の前で相撲(角力)が奉納されます。幼児の小相撲(こずもう)、少年の中相撲(ちゅうずもう)、男子青年による大相撲(おおずもう)の3取り組み。青年は丸帯を巻いた太刀の上に日の丸扇子を置き、その扇子に矢を投げて日の丸に早く突き立てた方が勝ちとなります。

大松明は相撲が始まる前に燃やされていました(献饌の最中に点火されるらしく、今回拝見できず)。ともあれ見どころの多い秋祭りです。

なお、大蛇に見立てた大松明を燃やすのは、大蛇退治を象徴しているのでしょう。そして暴れる蛇は暴れ川を意味し、佐保川と秋篠川が合流する当地のことですから、蛇祭りはかつての水難除け祈願が色濃い伝統行事といえるでしょう。

関連記事(当管理者の関連写真記事)
 ・田原本八坂神社 華鎮祭 2016
 ・門僕神社 秋祭りの神饌 「すこ」と「犬の舌」 2012



倭文神社 蛇祭り9
祭典・お渡りに先立ち、子供たちを載せた太鼓台が町内を巡行。お渡りの際には最後尾でお練りに加わります=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り1
初穂とお神酒の入った桶(実はからっぽ)を担ぐ隣組役員を先頭に農家組合長、神職(春日大社より出仕)、明神講役員(6名)らが続くお渡り=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り2
ヒトミゴクを抱える明神講役員(白装束)、隣組役員(青装束)=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り3
前から二人目が抱える餅3段のヒトミゴクには、唯一ズイキで作った蛇が備わります。蛇は口を大きく開けて赤い舌を出し、今にも嚙みつきそうでリアルな姿。本殿南隣の若宮社に供えられます=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り4
大蛇を表す大松明のお渡り。赤い帽子風の被り物を頭に載せた組当番の青年が大蛇に跨っています=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り5
荒っぽい献饌に神様は喜ぶというが、参拝者も大喜び。神饌には直接手が触れないよう、着衣の袖で覆った手を使います=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り6
ハナゴクと呼ばれる美しい小物の神饌。上段から順に盃、菊花、柳箸、茄子(なす)、飯の5種4組=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り7
少年相撲の取り組みに拝殿前は沸き返ります。勝敗はつけません=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町


倭文神社 蛇祭り8
青年の大相撲。丸帯を巻いた太刀と日の丸扇子の回りを3周し、「勝負」の声で耳に挟んでいた小さな矢を日の丸に投げて突き立て、早いほうが勝ち=撮影:2016/10/9 奈良市西九条町

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